「結婚はまだ?」という親の言葉に、耳をふさぎたくなる年末年始。婚活アドバイザーの大西明美さんは「2016年婚活卒業の秘訣は、年内のスケジュールの振り返りにあり」と言います。その理由とは?

独り身が辛い季節にさらなる危機が訪れる

「ああー、今年も婚活を終わらせられなかった……」「パートナーとクリスマスを過ごせなかった……」と、1年で最も独り身の辛さを思い知らされるのが年末年始です。帰省、親戚付き合い、旧友との再会。そんな煩わしさを避けて部屋にこもっても、「結婚しました」「子供ができました」と、ハッピーな報告を伴った年賀状が容赦なく届きます。独身であることが、こんなに居心地が悪い季節はほかにありません。

この時期は、親兄弟からの突き上げや、友人知人からのハッピーな報告によって、結婚を焦る人が続出します。すなわち、婚活を始めようと決心する人が最大化します。

ここで注意をしなければならないのは、既に婚活を行っている人です。婚活に対して希望とやる気あふれる人が大量に新規参入するため、婚活に疲れて前線から退いていると、出会いのチャンスを逃しますます縁遠くなってしまうのです。

1年の疲れが出やすい時期。中には「仕事疲れに、婚活疲れ」というダブルパンチの人もいるのではないでしょうか。

婚活の最大の敵は、この「婚活疲れ」です。なぜでしょうか。

それは、疲れるほどに婚活を続けていると、自分に自信が持てなくなってしまうからです。婚活を続けているということは、「断り、断られ」を繰り返しているということです。お相手から断られると傷つくものですが、実は断る方がもっと自信喪失につながりがちです。「なんて私はキャパが狭いのか」「高望みなのか」「身の程知らずなのか」と感じ、自分を“嫌なやつ”と思うようになります。

自分のことが好きではなくなると、さらに自信を失います。そうすると他人を受け入れる余裕もなくなり、「自信のない私を受け入れてほしい!」という自意識が強くなります。男性はこうした女性の過剰な自意識を敏感に感じ取りますので、結果として「重たい」「怖い」と敬遠されることになってしまいます。

婚活とは“ボクシング”と心得よ

“婚活”とは、ボクシングのリングに上がるようなものです。お相手と結婚に対する感触を探り合う行為は「ジャブ」、断る、断られるという行為は「パンチ」に当たります。「リングに上がり続ければ、いつか勝つ可能性がある」と言って、連日、体力を越えるジャブやパンチを受け続けたら倒れてしまいます。そんなリングに立っているのがやっと、という状態では試合に勝てません。

ボクシング選手は試合前に、体調を万全に整えます。婚活にも同じことが必要です。出会いが結婚に導かれていくためには、お相手との「心の通い合い」が不可欠。疲れてしまうと、心を通わせる余裕がなくなってしまいます。それでは出会っていても出会っていないのと同じ状態、結婚に至る確率が全く上がりません。出会うまでにかけたお金も時間もエネルギーも、全部無駄になってしまいます。

今こそ2015年婚活スケジュールの見直しを

婚活の最大の敵は、婚活疲れだとお話ししました。では、疲れないためには何をしたらいいのか。やることは1つ、「疲れないようにスケジュールを立てること」です。

といきなり言っても、どうすればいいか分かりませんよね。では手順をお知らせします。まずは2015年に行った婚活に関するスケジュールを振り返ってみましょう。

【STEP1】2015年のカレンダーに、「婚活を行っていた期間」を書き込みます(以降、「ジャブ期間」と呼びます)。

【STEP2】「断ったり、断られたりした日」を書き込みます(以降、「パンチ日」と呼びます)。お見合いや交際などで実際に会ったケースだけではなく、紹介所やネット婚活などで実際に会う前に断ったり断られたりしたケースも含みます。

【STEP3】パンチ日から次のジャブ期間開始日までの日数を確認します。

婚活には「7日間の休息」を

“2015年婚活スケジュール”は完成しましたか? 【STEP3】で確認した、パンチ日から次のジャブ期間開始日までの日数が、“婚活疲れのバロメーター”となります。

婚活は、「パンチ→対戦相手(相手)探し→ジャブ→パンチ……」と続いていきます。以下の2つのケースを見比べてみましょう。

【ケース1】パンチ日:5月5日→次の相手とのジャブ期間開始日:5月8日
【ケース2】パンチ日:5月5日→次の相手とのジャブ期間開始日:5月19日

ケース1の場合、パンチ日から次のジャブ期間開始日までが3日しか空いていません。パンチ直後から次のお相手を探し出した(もしくは、前のお相手とジャブを交わしながら次のお相手を探していた)ため、精神的に休めておらず、疲労がたまっています。ケース2の場合は、2週間空いています。人によって多少の違いはありますが、少なくともこのくらいの間隔を空けるのが、婚活疲れを避けるにはおすすめです。

ここで「2週間空ければいいのね!?」というのは早計です。2週間の内訳としては、前半の1週間を気分転換に使い、後半の1週間で次のお相手を探すというのが理想的です。

そう、「婚活パンチ」後1週間は、強制的に休息を取りましょう。

婚活において、断ったり断られたりした瞬間は誰でもショックを受けます。中には不安を払拭するように、次から次へとお相手探しに向かう人もいます。でも、それはやめましょう。堂々と、1週間は自分の好きなことをしてください。特に婚活パンチ後の週末は、ゆっくり過ごすか、楽しく過ごす。自分のパワーを取り戻すために1日を当てることがポイントです。温泉に行くもよし、エステもネイルもオッケー。純粋に「楽しい!」と思えることに時間とお金を費やしましょう。このような時間が婚活疲れを避けるのに一番大事だからです。その際に、「あれ、なんであんなに思いつめていたのだろう」と、ふっと思えたらもう大丈夫。

2016年の婚活スケジュールには、ぜひ「1週間の休息」を取り入れてください。7日間婚活を休むことで、あなたの魅力や自信を取り戻せます。

またパンチ日から次のジャブ期間開始日までの日数にムラがある人で、その理由が「なかなか次のお相手探しに向かう気になれない」という場合は、すでに婚活疲れを起こしている可能性があります。そんな人は疲れを癒やすことが先決です。年末年始を「1週間の休息」に当てて心機一転といきましょう。

2016年が素敵な出会いの年になりますように!

大西明美
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。
著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。