ここ数年でシャンプー市場は急成長。かつては洗髪目的のアイテムがほとんどでしたが、最近はハリやコシを出すものから、頭皮ケア、さらには育毛を促すものまで登場。これらをより効果的に使うためはどうしたらいいのか? 大人のためのヘアサロン「AMATA」のオーナーである美香さんと一緒に、正しいシャンプー法をおさらいしてみましょう。

正しいシャンプー&トリートメント術

髪に対する意識が高まった影響で、優れた製品を使う人が増える一方、シャンプー&トリートメントの使い方は以前と変わらない。そんな女性が多いような気がします。

ヘアサロン「AMATA」オーナー 美香さん(C)Yoshinobu Fukaya/aura.Y2

例えば、頭皮を傷つけないためなのか、洗顔と同じように泡の力だけで洗っている人がいますが、これは大きな間違い。頭皮の場合、髪の毛が密集して生えているため、なでるように洗っても髪の毛が邪魔をして肝心の皮脂を取り除くことができません。イメージするなら、美容室の「ゴシゴシ洗い」。指の腹に力を入れて、しっかり泡立てながら洗いましょう。爪を立てなければまったく問題ありません。

また、トリートメントのぬめりは、有効成分ではありません。髪の内部に浸透しきれなかった残留物にすぎないため、ぬめりがなくなるまでしっかり洗い流すことが大切です。

そしていちばんやってはいけないのが、1日2回以上の洗髪。皮脂には外部の刺激や紫外線から肌を守る働きがあるため、過剰な洗い流しは肌の免疫力を低下させる恐れがあります。また、髪内部にとどめていた有効成分も定着せず、髪をパサつかせる原因に。

これらの間違ったケア方法を改善するだけで、美しい髪と頭皮を得ることができますよ。(美香さん)

シャンプーの基本は髪よりも頭皮をしっかり洗うこと

(1)ブラッシングでほこりを落とす
ぬらす前に、まずはブラシで髪をていねいにとかして。とかすことで髪に付着したほこりが除去され、洗いやすい環境が整います。

(2)お湯洗い1分で髪表面の汚れを落とす
シャンプーをつける前に、お湯だけで髪を予洗い。髪をかき上げ、根元にシャワーを当てます。このひと手間で、シャンプーが泡立ちやすくなります。

(3)指の腹を使い頭皮を動かして洗う
手のひらにシャンプーをのばしてから洗髪。指だけを激しく動かすと爪で頭皮を傷めてしまうため、頭皮に指を密着させながらゴシゴシ洗いを心がけて。

(4)髪が密集している部分はとくに念入りに
耳後ろ、こめかみ、襟足などの、髪が集中している部分は念入りに。髪をかき上げながら時間をかけてていねいに洗いましょう。なかなか泡立たない場合は、シャンプーを追加して。

(5)すすぎは髪の奥までしっかりと
洗髪時間は3分くらいで十分。すすぎは泡が完全になくなるまでしっかり洗い流しましょう。髪をかき上げ、頭皮にもシャワーを当ててすすぎます。洗い残しは頭皮を傷めるので要注意。

トリートメントは髪をねじって、有効成分を奥まで浸透させて

(6)髪の水分を手でしっかりと切る
水分の残った髪は、トリートメントの有効成分が浸透しにくい状態。髪をギュッと1つにまとめてから水分カット。

(7)髪の中間から毛先にトリートメントをオン
頭皮専用を除き、トリートメントは頭皮につけないのがお約束。中間から毛先にもみ込みながら塗布。

(8)傷みやすい毛先にはトリートメントを重ねづけ
傷みが激しい毛先には、トリートメントをつけた上からさらに塗布。コーティング効果で浸透力がアップします。

(9)毛先をねじって浸透力アップ
髪の傷みが深刻な場合、塗布してそのままでは内部まで浸透しません。髪を軽くねじり、3~5分放置しましょう。

(10)ヌルつきが消えるまで十分に洗い流す
シャンプーと同じく、髪をかき上げながらしっかりすすぎます。ヌルつきがなくなるまで入念に洗い流します。耳後ろや襟足を集中的にすすいで。

※コンディショナーとトリートメントはどう違うの?
コンディショナーは、髪の表面をなめらかにさせることに特化した製品。トリートメントは有効成分を浸透させ、髪に栄養を与える製品。どちらも洗い上がりはツルッとした髪になりますが、目的は若干異なります。
美香
2002年、大人のためのヘアサロン「AMATA」をオープン。多数の美容業界人を顧客に持ち、自身の黒髪は業界屈指といわれる美しさ。製品プロデュースやコンサルタントとしても活躍し、ビューティのオピニオンリーダーとしてメディアに多数出演。