就職人気企業ランキングに登場した115社を格付け&分類。ダイバーシティの先進企業から発展途上企業までのグラデーションがよくわかります。

「女性をホンキで育てる会社」格付け2015の連載では、6つのタイプ(※)にぴったり当てはまる、特徴が顕著な企業を紹介してきました。そこに登場しなかった企業は、果たしてどんな傾向があるのでしょうか。特に、知名度の高い、人気ランキングに入っている企業は、そこでの働き方やキャリアがどんなものなのか、興味が湧くところでしょう。

※6つのタイプとは……キャリア万全型、狭き門型、WLB重視型、昭和型、サバイバル型、ブラック的。それぞれのタイプにあてはまる企業はこちら(http://woman.president.jp/category/pw00039

そこで、大学生・大学院生を対象とした「就職人気企業ランキング」(日経新聞)にここ3年間で上位100位までに入った企業、延べ115社について、調べてみました。ここでは、6つのタイプの基準にピッタリではなくとも、大体の傾向が合っている場合、そのタイプに分類をしています。

タイプ別に分類してみる前に、2つほど気づいた特徴を書いておきます。

まず、情報公開に後ろ向きの企業が多いということ。9項目のうち、4項目以上を非公開としていた企業が、49社と全体の4割にもなるのです。当然、これらの企業はどのタイプにも分類ができませんでした。

2つ目は、7つ目の分類が生まれたこと。それは、「女子活用ビギナー企業」というタイプです。このタイプの企業は、新卒総合職の女性比率や、3年定着率が高い。勤続年数も短くはありません。にもかかわらず、全体での女性従業員比率は低いという企業。女性をたくさんとって、辞めずに勤務しているなら、女性従業員比率は高くなるはずですが、高くはなっていない。

 

その理由は、「女性採用を始めてまだ間もないから」と考えられます。今、変化途上ですが、今後急速に変わる可能性がある企業群といえるでしょう。

男性社会が根強い企業も多い

それ以外の、もとからあった6タイプに対して、以下見ていきましょう。

「キャリア万全型」には、成長して大きくなったベンチャー企業がランクインしていることが、新たな特徴として加わります。サイバーエージェント、ベネッセ、エイチ・アイ・エス、ニトリなどがそうでしょう。あとは、マスコミ、日用品メーカーなどが並びます。

金融系からはSMBC日興証券ほか1社。最近は一般職からの総合職登用なども進んでいるためでしょう。

「狭き門型」の企業は、やはり重工業、建設・インフラが主体で、理系採用だから入り口が狭いけれど、中に入ればキャリアは万全、という企業が並びます。サービス・小売業からも3社が入っていますが、いずれも鉄道会社であり、インフラ系と同じといえそうです。

歴史ある企業が多いため、男性社会が根強く、「昭和型」のタイプに入る企業が比較的多いのがわかるでしょう。

女性採用者のメインが一般職となる企業が多いのですが、長くいて事情をよく知る女性たちに辞められると困る、という会社が増えています。今後は、「昭和型」から「WLB重視型」へと移行する企業が多くなりそうです。


【情報秘匿型企業】
フジテレビジョン/東京海上日動あんしん生命保険/損害保険ジャパン日本興和/日本郵政/日本生命保険/日立製作所/パナソニック/東芝/あおぞら銀行/アクセンチュア/アビームコンサルティング/テレビ朝日/電通/伊藤忠商事/メタルワン/千葉銀行/岡谷鋼機/三菱重工業/兼松/トヨタ自動車/三菱東京UFJ銀行/あいおいニッセイ同和損害保険/信金中央金庫/日本テレビ放送網/東京急行電鉄/三井住友銀行/NTTコミュニケーションズ/全日本空輸/ジェイアール東日本企画/京都銀行/KADOKAWA/森ビル/博報堂/朝日新聞社/NTTデータ/大和証券グループ/アステラス製薬/ソニー/三井不動産/野村総合研究所/コクヨ/三菱電機/名古屋鉄道/東京地下鉄/明治安田生命保険/船井総合研究所/三井住友海上火災保険/川崎汽船/東京ガス