まだ老後まではかなり間がある30~40代でも、すでに将来スーパープアになりそうな気配の人も……。実例を挙げて、スーパープアの特徴を検証しましょう。(アドバイスしてくれる人:家計再生コンサルタント・FP 横山光昭さん)
CASE1:やみくも自己投資型プア
【家族構成】独身【住居形態】賃貸(家賃7万円)【年収(手取り)】360万円【月収(手取り)】27万円【ボーナス(年間合計)】40万円【毎月の貯蓄額】3万円【年間の貯蓄額】36万円【資産総額】約100万円(内訳:普通預金50万円、定期預金30万円/国債20万円)
●自己投資のしすぎ!? 勉強代がかさんでためられない
都内在住のA子さんは一人暮らし。結婚願望があまりなく、習い事(料理・加圧トレーニング・語学)や資格取得に向けた勉強に忙しい日々。毎月3万円ずつ財形でためているものの、20万円ほどたまると引き出して使ってしまうのが、貯蓄の増えない要因。現在、マンションを買うか悩み中。また、インテリアコーディネートに興味があり、約30万円の講座に申し込むかどうかでも悩んでいる。
【BAD POINT1】ライフプランの見通しが甘く、夢見がち
そもそも30代半ばで貯蓄が100万円というのは少なすぎ。「マンションを買うにも、このままでは頭金が出せません。A子さんは頭金なしで購入を考えているようですが、それは無計画すぎるので絶対NG。もう少し先のことを考えてお金を使う必要があります」
▼アドバイス
ライフプランを立てましょう。人生にいくらお金がかかるか知れば、貯蓄しようと思えるはず」
【BAD POINT2】せっかくためても、貯蓄の取り崩しが多すぎる
財形でためたお金を習い事代や旅費などに充てているのが×。「財形を利用し、毎月給与天引きでためているのはGOOD。強制貯蓄は一番たまりやすいですからね。ただ、当然ながら引き出してしまったら無意味。何のための貯蓄かいま一度考え直すべき」
▼アドバイス
「財形は絶対取り崩さないで! あと1万円増額し、ボーナスを半分ためられたら理想的です」
【BAD POINT3】真のキャリアアップにつながる自己投資ができていない
健康投資の加圧トレーニングはともかく、今の仕事や今後やりたい仕事とは関わりのない部分にお金を使いすぎ。「真の自己投資をしたいなら、何が本当に自分にとって必要か、あらためて考えるべき。興味があるものに何でも手を出していたらお金はたまりません」
▼アドバイス
「自己投資に月予算を決め、その範囲でやりくりを。興味があっても予算を超える分は我慢です」
株式会社マイエフピー代表取締役社長。独自の家計再生プログラムを提唱し、実際に何千もの問題家計を再生してきた家計管理のプロ。近著は『NHK「あさイチ」お金が貯まる財布のひみつ:不安がなくなる貯金の極意』(新潮社)。
撮影=菅井淳子 イラスト=中根ゆたか