仕事、家庭生活、お金、親子関係……、さまざまなお悩みに、新刊『決めた未来しか実現しない』が話題の本田健さんと、PRESIDENT WOMAN Onlineの連載「WOMAN千夜一夜物語」でおなじみのコラムニスト河崎環さんが回答する人生相談、連載第3回は「“いいひと”だけれども退屈な夫」に関するご相談です。
私は夫と2人の男の子(8歳と6歳)と暮らしています。夫は、誠実で温厚なとても善良な人で、休日には食事を作ってくれるなど、感謝することも多いです。でも、一緒にいて楽しくないのです。将来パートナーと2人の暮らしになったときのことに危機感を感じています。これからどうしたらいいか、アドバイスをお願いします。
「ワクワクしたい」を満たすには
【本田健さんの回答】
人生の生き方には、2通りあります。それは、ワクワクと退屈です。ワクワクするほうを選べば、不安、心配がついてきます。なぜなら、それは変化の道だからです。一方、退屈する道には、安定、安心があります。人間の心理のおもしろいところは、安定が欲しいのに、ワクワクもしたいという欲張りな部分も同時にあることです。
パートナーで言えば、ワクワクするパートナーは、気も浮ついています。なので、あなた以外の女性に行きそうな危ない感じが魅力にもなっているのです。一方、あなたのパートナーは、誠実で安定しているはず。他の女性のところ行くことはほぼない感じがしていませんか? そこには、安心と安定がある代わりに退屈があります。これが、あなたの今の状態です。
このことは、パートナーのことだけではなく、すべてに当てはまります。退屈が忍びよってきたときは、変化を起こすタイミングです。2人でロマンチックなことをしたり、ふだん行ってみないところへ出かけたりしてみましょう。あまりやらない恥ずかしいことをやってみると、2人の関係にエネルギーが戻ってきます。
仕事で退屈している人にも、オススメです。ふだんやらないこと、怖いなぁと思うことをやってみると、ワクワクのエネルギーが戻ってきます。
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2000万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は100冊以上、累計発行部数は680万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/
自分をケアするタイミング
【河崎環さんの回答】
あなたは「いま」人生に退屈しているようです。「休日には食事も作ってくれる、誠実で温厚で善良な夫」に「いいひと」以上の何か、そして人生に「いま」以上の何かがないと楽しくない。では安定や平穏とは趣を異にした、何かの刺激があれば満たされるのか。それは本当に夫婦の問題なのか、それとも自分の人生の問題なのか。実のところ、旦那さんとの将来を不安に思っているうちは、まだ「2人の関係」がちゃんと視野に入っています。多分、お子さんが8歳と6歳になり、エネルギーを吸われてばかりだった子育てが一息つく段階に入って、あなたはふと自分の中の変化に気づいたのでしょう。そろそろ、自分をケアしてあげたい時期ですね。
「いま」に退屈してしまったときは、頭の中で旅に出る(安い方法)か、実際に旅に出ましょう(高い方法)。現在の自分の条件や制約を一度すべて取り払って、ただ勝手な将来を思い描いてみましょう。10年後、あなたは何歳で、何をしていたいですか。立派な夢、卑近な夢、荒唐無稽でもいいのです。あるいは可能なら、試しに気候も言葉も何もかも違う、今の暮らしとはかけ離れた場所へ1人でも家族とでも旅に出てみましょう。惰性では生きられないヒリヒリした非日常の中で自分が何者かを知ると、自分が更新され、五感が開き、人のせいにしたり、人生が退屈だなんて思ったりできなくなります。その上で、もう一度ご自分の家族に目を向けると、別の風景が見えるものですよ。
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。