仕事、家庭生活、お金、親子関係……、生きている限り、悩みはつきないものです。そんなさまざまな悩みについて、『ユダヤ人大富豪の教え』など生き方やお金に関する多数の著作がある本田健さんと、連載「WOMAN千夜一夜物語」でおなじみのコラムニスト河崎環さんが回答する人生相談がスタートします。連載第1回は「パートナーとの関係」に関するご相談です。

【今回のご相談】
パートナーが「君を手伝う」と言いながら、自分の世界観や意見を押し付けようとします。私は全く逆の意見を持っていることが多く、「自分はこう思う」と説明しても、「君は頑固だ」とか、「世界を知らない」とか、上からの態度をとるため、けんかになります。別れたほうがいいのでは、と何度も思いました。どうしてこうなるのでしょうか。私がそう言わせているのでしょうか?
「君のため」と言いながらも、結局は自分の望む方へ物事を進めようとする男。あなたならどうする?(イラスト=伊野孝行)

カップルが必ず通る道。相手の素晴らしさを思い出すチャンス!

【本田健さんの回答】

パートナーは、結婚したといっても、元他人です。考え方、感じ方が違うのは、当然ですよね。そんな他人同士が、「自分が正しい」とお互いに譲らなければ、けんかになるのは仕方がないとも言えます。愛し合って結婚したからといって、本質的にこの問題は変わりません。

なので、どちらが正しいとかではなく、「そういう考え方もあるのか!?」と、お互いに相手のことをおもしろいなぁと思えて、尊重できると、2人の関係はよくなります。でも、余裕がないときは、そう考えられないものですよね。

最終的には、お互いが、「結婚生活に何を求めるのか」になると思います。相手をやりこめて、自分の正しさをごり押ししても、幸せは得られません。相手とのけんかに疲れたときこそ、改めて、どうしてこの人と結婚したのか、パートナーの素晴らしさを思い出すいい機会です。

パートナーシップは、最初ロマンスでスタートしますが、関係が続くにつれて、けんかが多くなります。それは、最初の期待が少しずつ裏切られ、がっかりすることが多くなるからです。

どんなカップルも、このプロセスを通ります。お互いが感謝して、相手の素晴らしさを認め合えるようになると、2人の関係は次のステージに変わっていくと思います。

男性回答者プロフィール:本田健(ほんだ・けん)
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2000万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は100冊以上、累計発行部数は680万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/

本気で手伝いたいと思っている人の態度とは

【河崎環さんの回答】

ご相談者が、まるでネットのテンプレのような「意識高い」勘違いパートナーの納得のいかない干渉に飽き飽きしていらっしゃることが、よく伝わってきました。そもそも「手伝う」と言いながら、あなたの意見をくむことなくバカにするなんて、対等に議論する関係を築こうとなど考えていないのがバレバレです。それはあなたを「手伝う」人間のすることではありませんね。「君は頑固」とか「世界を知らない」とかうっとうしいですが、そんな自分がいったい何をどれほど知っているというのでしょうか、ご立派なことです!(笑)

パートナー本人が本当に柔軟で世界を知っている能力の高い人間で、あなたを手伝おう、あるいは育てようと本気で考えているのなら、全く逆の世界観や意見を持つあなたに何かを教え示すとき、そんな上からの態度かつ否定的なアプローチは取りません。メッセージが相手に浸透しにくく、効果が薄いからです。つまりこの関係はパートナーがあなたを「手伝う」という名目であなたとの立場の傾斜を楽しんでいたのかも。あなたに「私がそう言わせているのでしょうか」なんて思わせるあたり、すっかり2人の関係支配を握りしめ、さぞかしパートナーはあなたとの関係で優位に立ったつもりで気持ちいいでしょうが、どうやらあなたのほうが成長してしまいましたね。個人的にはそんな安っぽいパートナーなんざ燃えないゴミの日に出したい気分満々ですが、別れずに関係を続ける価値があるかどうか、決めるのはあなたです。

女性回答者プロフィール:河崎環(かわさき・たまき)
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。