安易な妥協をする前に

独身で35歳あたりを過ぎると、周りの人から言われ出す言葉──それは、「理想が高すぎるんじゃない?」と、「結婚には妥協も必要よ」です。

いきいきと仕事をしている女性は、実年齢よりも若々しく、美しい人が多いです。それゆえに、お高くとまっているように誤解されがちです。仕事だと客観的な判断ができる人も、「その気はあるのに結婚できていない」という負い目から、その言葉に耳を傾け、妥協しようとしてしまいます。

「離婚歴がある」というだけで、その男性を婚活の対象から外すようなことをしていませんか? それは大きな機会損失です。自分のポテンシャルを見直しながら、バツイチ男性の魅力に目を向けていきましょう。

しかし、安易な妥協をする前に、振り返るべきことがあります。本当に理想が高いから独身なのでしょうか。多くの場合、仕事が忙しすぎて、家と職場の往復の日々を重ね、またその職場を出会いの場として考えてこなかったことが原因です。理想の高さではなく、結婚につながるような行動を起こしていない、また機会を生かしていないのが問題なのです。

さて、問題点が分かったところで、改めて“理想”について考えていきましょう。自分にとっての理想の結婚相手の条件を具体的にするのは、とても大切なこと。それはお相手候補の範囲を明確にすることにつながりますし、条件を変えることで、範囲を広げられるからです。

「年齢」や「年収」、「見た目」など、ポイントはいろいろありますが、私が重視してほしいと考えるポイントは「結婚歴」。ここは戦略的に考えて取り組まないと、本当に成婚の機会を失ってしまうケースが多いです。

相手のバツではなく、自分の年齢に厳しくなる

「結婚歴」は大まかに以下の4つに分けられます。

1.未婚
2.離婚歴あり、子供なし
3.離婚歴あり、子供あり(別居)
4.離婚歴あり、子供あり(同居)

離婚歴あり、いわゆる「バツイチ」(“バツ”が複数の場合もあります)の中にも、3種類あることに驚かれる人がいます。あくまでカテゴリー分けでの話ですが、婚活の対象にバツイチを含めないということは、上の4項目のうち、3項目が対象外となってしまうということです。

「え、バツイチを対象に含めないと、婚活の機会がすごく減ってしまうの!?」と慌てられるかもしれません。実は、バツイチを対象に入れないことが婚活に響く年齢と、そうでない年齢があります。

まず、20代から30代前半の未婚女性の場合。年齢差が上下5歳から10歳くらいの男性がターゲットになることが多いですが、この年齢でバツイチの男性というのはまだまだ少ない。ですので、バツイチをお相手の対象から除いても、婚活に影響が出るほどのことはありません。

しかし、35歳以降の女性がバツイチを婚活の対象から除くのは、出会いの機会を確実に減らします。婚活において、女性に紹介される男性は同年代もしくは年上であることが多いものですが、結婚紹介所を訪れる男性は、30代後半からバツイチが増えていきます。40代に入ると、バツイチ男性の7割くらいにお子さんがいます。とはいっても、離婚したときに、親権が母親に渡り、お子さんとは別居しているという父親が圧倒的に多いので、男性が子育てをしているというケースはまれです(死別の場合は、シングルファーザーとして、子育てをしている男性がほとんどです)。

さらに女性が37、38歳になると、45歳くらいまでの男性が主なターゲットとなります。このくらいの年齢の女性が、婚活の対象からバツイチを除くと、本当に出会う機会が減ってきます。35歳と38歳は、3歳しか違いませんが、この3年の違いで婚活の状況は、かなり変わると心しておいたほうがよいです。

私のおすすめは、とにかく出会いの機会を減らさないように、バツイチも婚活の対象に含めておくということです。特に女性が40歳を過ぎている場合は、バツイチを対象に含めておかないと、出会いの機会が激減します。

バツイチ男性を選んではならない人とは

しかし、結婚歴があるということがどうしても耐え難いという性格の人もいます。相手の過去の交際歴が気になり、嫉妬してしまうタイプの人です。しかも嫉妬の対象は元・彼女なんて生易しいものではありません。結婚し、生活を共にしていた女性、元・奥さんです。そういう女性は無理やり結婚歴がある男性を対象にすると、本当に苦しみます。

ちなみに、私はバツイチ同士の再婚です。「過去に結婚歴があるのはお互いさま、それよりも今が大事」というところが一致して結ばれた2人です。結婚歴を考える上では、お互いの性格や考え方によるところも無視できませんので、くれぐれも自分の気持ちを偽らないようにしてください。出会いの機会が減るリスクが分かっていても、過去の結婚生活が気になって耐えられないならば、未婚限定でアプローチしていくのが得策です。

バツイチというと、ネガティブなイメージを抱く人がいらっしゃるかもしれませんが、よい点もあります。それはほとんどの場合、過去に家族を養っていたという経済面での実績があるということです。

見るべきは男としての責任の取り方

特に“バツイチ子供あり”の場合は、養育費を心配される人がいますが、養育費を払っても生活できるだけの経済力があるということを忘れてはいけません。また、養育費は払えないほどの額は算定されません。たとえば景気変動などの理由で給料が下がれば、養育費の減額を申し出ることも可能です。無茶過ぎる義務は課されない、ということです。養育費の平均月額は4万3482円です(厚生労働省「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」内、「子どもの数別養育費の状況 母子世帯1世帯平均月額」より)。男性の収入や子供の数など、ケースによって金額は異なってきますが、しっかり仕事をして“稼ぐ”力がある女性ならば、なおさら、ここでひるむことはありません。

しかし、要注意の“バツイチ子供あり”もいます。それは、養育費を払っていないバツイチです。新しい自分の家族に対して責任を持てるのか、不安が残ります。私の結婚相談所では、養育費を払っていない男性は入会させません。「養育費を払っていないので、給料は全部自分のものです」という人はお断りをしています。

養育費の支払いとは、過去に対する責任を果たし、未来に向けて子の命を守り育むために、積み重ねていく仕事でもあります。その仕事を簡単に放棄してしまう人は、次の結婚でも同じことを繰り返す危険性があります。

子供がいる・いないということを、“人生のややこしさのバロメーター”としてとらえがちですが、そのような見方をするべきではありません。また家計に関しても、養育費の支払い義務がない人であっても、給料が下がることはあります。家庭における経済的事情なんて、養育費以外のいろいろな出来事で簡単に変わってしまうものです。

そうではなくて、過去の結婚について、男性がどのような落とし前をつけているのかというところを見てほしいのです。そこには、彼の口をつく甘い言葉以上の真実が隠されています。

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。