結婚できないのは、婚活に傷ついているから

はじめまして。私は2010年に結婚相談所をスタートさせ、たった1人で5年の間に200組以上のカップルを成婚に導いた婚活アドバイザーです。

結婚は自分の夢や希望を抑圧し、妥協して決めるものではありません。その理念の下、3000人以上に「結婚に対する本音」の聞き取りを行ったところ、結婚の障害になっている本当の理由に気づきました。

私から見れば本当に魅力的な人が、結婚したいのに結婚できない理由、それは結婚に対する自己評価が低いからです。「理想が高い」と周りからダメ出しされ、「結婚できない」と自分自身をひたすら否定してきた人。そのような人は「私は結婚失格」と幸せを自ら遠ざけているのです。

そんな婚活で傷ついてきた人のセルフイメージを回復し、全ての人が自然体で結婚できるようになることを目指して、相談を受けています。今回は「歳だから結婚できない」と悩んでいるアラフォーの女性が、その究極の思い込みから解放されるように、聞き取りで知った事実および客観的データを通して、「いやいや、あなた、結婚できますよ!」ということをお伝えできればと思っています。

さて政府の国勢調査によると、「35~39歳」「40~44歳」の女性未婚者の割合は、その10年後で1ポイント程度しか下がっていないことがわかります。

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女性未婚者の割合について、1990年の25~29歳は40.4%、2000年の35歳~39歳は13.9%、2010年の45~49歳は12.6%と、それぞれ10年間で26.5ポイント、1.3ポイントの減少が見られる。

この数字から分かるように、アラフォー独身の女性が、結婚について何の活動もしなければ、10年後もほぼ今と変わらず独身です。そして、年齢が上がるごとにますます結婚できる可能性は減少していきます。

「それならば婚活をしなければ!」となりますが、残念ながら「婚活をすれば全て問題が解決」とはいきません。

「私はバリキャリで仕事の理想は高いけど、男性の理想はそんなに高くないわっ!」「私よりも年収が低くてもいい。年齢も5歳くらい上までならばOK」などと思われた人もいるかもしれません。しかし女性の理想が高いとか低いとか、そういう問題ではないのです。

何が問題かと申しますと……。

編集部より:本ページ内、<さて政府の国勢調査によると、アラフォー女性が10年後に結婚する可能性は、なんと1%未満です。>の一文を、<さて政府の国勢調査によると、「35~39歳」「40~44歳」の女性未婚者の割合は、その10年後で1ポイント程度しか下がっていないことがわかります。>に変更いたしました。(2015年10月15日)

男性だって子供がほしい!

結婚相談所にやってくる男性の来所理由の多くが「自分の子供を持ちたい!」なのです。

私の結婚相談所の場合は、

■20代の男性は、32歳ぐらいまでの女性を希望
■35歳を過ぎると、年上の女性はNG
■40代の男性は、30代後半までの女性を希望

という傾向があります。

単に「若い女が好き!」ということではなくて、「自分の子供を産めるかどうか」ということが、彼らにとっては重要なポイントになるからです。

ですので、40代の女性は出産可能であっても、男性がそれを認めないので、お見合いが成立しにくいという現象が起こります。

これは、ネット婚活でも同様です。特に、大手結婚相談所のネット婚活の場合、数十万円の初期費用が発生することもあります。そう簡単には出せない金額ですが、「結婚」ではなく「子どもがいる家庭」に対する投資として、この費用を多くの男性が払っています。

つまり、女性は40歳を過ぎると、キャリアの有無ではなく、「子供を産めそうかどうか」ということで、結婚の機会が大きく減ってしまうのです。

ということは、「アラフォーキャリアの私たちは、男性にとって魅力的な存在ではないのか」と思われるかもしれません。婚活をする気をなくした人がいるかもしれません。いったん落ち着いて結婚相談所とアラフォー女性の特徴について、考えてみましょう。

そもそも婚活とは、結婚相談所だけですべきものなのでしょうか。冷静にみれば結婚相談所に提出する書類は、バリキャリ女性の弱点ばかりが際立ちます。

■年齢(出産が難しいと思われる)
■高学歴、高収入(男性が勝手にビビる)
■教養レベルが高そうな自己紹介(プレッシャー)

逆に、これらの弱点がなくなるか、もしくは強みになる場所に移動することを考えることが大切です。

デキる男が集う場所へGo!

たとえば婚活を結婚相談所という1つの場所で行うという考えを、そもそも捨ててしまってはどうでしょうか。

アラフォーキャリア女性の特徴を挙げてみましょう。

■見た目が実年齢より5歳から10歳は若い。キラキラしている。
■公私に渡り経験が豊富で教養が高いため、男性のどんな話にもついていける。
■面倒見がよく、社会人として慕われている。

そうです、その「見た目の若々しさ」と「話術の巧みさや懐の深さ」とにギャップがあるので、そこを強みにして出会っていくという方法です。

おすすめの場所や方法を3つご紹介します。

【1.10万円以上するセミナーに参加して、懇親会で名刺交換する】

1日で10万円かかるようなセミナーには、変な人が来ません。また、おこづかい3万円でやりくりしている既婚者サラリーマンも来づらいです。独身で野心いっぱいの男、金持ち、純粋に勉強をしたい真面目な男性が集います。

もちろん女性目的の遊びではやって来ませんので、出会う人の質が非常に高くなります。「半年で10万円」ではなくて、「1日で10万円」というのがミソです。「10万円は高すぎる!」という場合は、3万円からスタートするのもアリです。5000円だとダメです。

そして必ずセミナー終了後の懇親会で名刺交換をしてきましょう。まずは「見た目の若々しさ」を活かし、感じよく距離を縮めましょう。そして接触。あなたのキャリアを保証するのが名刺です。ここで使わない理由はありません。ただしその際には、勤務先名や肩書で「偉そうなだけの女」と思われないように「話術の巧みさや懐の深さ」を感じさせることが肝要です。

同性の嫉妬に気をつけろ!

【2.安くてもいいので、統計などの数字を扱う勉強会に参加をする。もちろん、名刺交換と懇親会参加は欠かさない】

女性の参加者がグッと減ります。ですので、独身者の素敵な男性が参加している場合、若い女性がライバルになりません。

私が結婚相談所の現場で感じていることですが、このような勉強会に参加する確率が高い理系の男性は、奥手な人がやはり多いです。婚活に対してスレていない、経験値が低い、けれども真面目という点では、かなり狙い目です。

統計なんてちんぷんかんぷんで構いません。理解できなくてもいいから、その場にいることが大切です。分からないところは、周りの参加者に教えてもらえるようにすると、自然に仲良くなれますね。男性は、たいてい女性にものを教えるのが大好きですから、ぜひその習性を使ってみましょう。

【3.自分より目上の人に、結婚したいと言いまくる】

まず、同僚と部下に言ってはダメな理由をお話します。特に同性はダメです。それは、「相手に自分より幸せになってほしくない」というライバル意識が働きやすいからです。

その人の夫やパートナーより格下の人を紹介される可能性が高いのです。それだけではなく、断ると、陰で「あの人は理想が高いのよ」と悪口を言われて、誤解される危険性があります。

目上の人の場合は、その人があなたをライバル視していない限り、幸せになってほしい! と真剣にお相手を探してきてくれます。

年齢は、10歳ぐらい離れていると理想です。その人よりもちょっと年下=あなたよりちょっと年上という年齢バランスの良いお相手を紹介してくれる可能性が高いからです。職場の人であるかどうかは問いません。親戚のおばさんでもOKです。

周りは、アラフォー独身女性に対して、「結婚を諦めている」と、勝手に誤解をするのです。そして誤解をするから、縁談を持って来ないのです。まず、このマイナスの流れを断つことで、出会いの可能性が飛躍的に広がります。

間口は広く、打てる手はすべて打つ!

注意すべきことは、紹介をされたら、基本的には全員と会うことです。特に初めての紹介を断ると、次はありません。断っていいのは、3人目ぐらいからです。会わないで断ると「この人理想が高いわ」と、誤解されてしまいます。さらにそれを1回目でやってしまうと、紹介をする人のメンツを潰してしまいます。お相手にお断りを入れるという嫌な思いをするので、あなたに人を紹介することに対する萎縮や嫌悪が起こります。

要するに「人に紹介してもらう」ということは、人間関係が面倒くさいというデメリットがあるのです。それでも、一番お金がかからず、出会いが広がる方法です。たとえどんなお相手であろうと、魔法使いに1日を消されたと腹をくくって、まずは会ってみましょう。明らかに無駄な出会いであっても、今後の紹介をつなげていくためには意味があります。

とはいっても、やっぱり結婚相談所で出会いたいという場合。

そういう場合は、「子供が成人前に自分が定年退職を迎える危険性を考えて、子供を諦め始める45歳以降の男性」、もしくは、「結婚歴があり子供がいる男性」ならば出会いのチャンスがあります。

特に、子供がいる男性は、「年上の女性もOK」ということが時々あります。一度目の結婚で手に入れられなかった夫婦関係を求めているので、子供よりも妻との関係を重視する傾向があるからです。

どの方法がベスト?

最後にどの方法をとるべきかということですが、はっきり言って、全部やったほうがいいですね。

前にも書いた通り、40歳以上の女性が10年後に結婚する可能性は1%未満。40歳以上の女性が100人いて、そのうちたった1人しか結婚できないのであれば、可能性があることは全部やるのがベストです。

婚活に失敗しても死ぬわけではありません。結婚を本気で望んでいるならば、ここに書いた3つの方法をぜひ全部試してみてください。

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。