ビジネスシーンで私たちが使いたいモノってなんだろう。どうありたい? どう見せたい? 仕事のやり方を確立したら、自分の演出にも気を遣いたい。“いいモノ”が身近にあれば、気分も、仕事のモチベーションもアップするというもの。
そんな演出のひとつが、ステーショナリーに“男前”な美品を取り入れること。男性系の上質な文具や小物たち。上司が持っているエイジングが効いた○○、ちょっとイケてる……と思ったこともあるでしょう? スタイルのある働き方をしているあなたに、そんな機能美に溢れたクールで“男前”なモノたちをご紹介。今回ピックアップするのは、ビジネスの基本ツール「筆記具」です。

大切なクライアントとの打ち合わせ。決済や報告書へのサイン、プレゼントに添える一筆、企画書のラフ書き……。“文字を書く”という機会は減ったものの、筆記具はまだまだビジネスシーンで欠かせないツールです。慌ただしいオフィスワークも、お気に入りの上質な1本があれば、より刺激的に。もちろん自分の気分が上がるだけでなく、周囲からの印象もグッと変わってきます。

では、筆記具は何をチョイスすべき? 流行の高機能モデルを追うのもいいけど、自分のビジネススタイルに合ったアイテムを選ぶ目を養うことも大切なこと。老舗ブランドが放つ王道モデルからはじめて、自分の筆運びに合わせて愛用の1本を見つけるのは、文具通でなくとも楽しいはず。まずは基本のキ、ペンシルのご紹介。

ペンシル

軽やかな書き味と、手にした時の程よい重厚感。ペンシル1本で自然と背筋がのびるから、不思議だ。あなたの指先を彩るのはどのペンシルだろう。

伊東屋 ロメオ No.3 シャープペンシル 細軸
腕時計の竜頭をモチーフにした天冠を回すと芯が出る、繰り出し機構を採用。長時間の使用にも疲れにくく設計されたボディが普段使いに威力を発揮。1914年に誕生したオリジナル万年筆のデザインを踏襲。ビジネスに相応しい“見た目と実用性”を合わせ持つ、0.5mm芯を使うスタンダードモデル。
[お問い合わせ:伊東屋 03-3561-8311]

写真は上から/伊東屋 ロメオ No.3 シャープペンシル 細軸7560円、カランダッシュ アルケミクス カーボン 1万800円、ファーバーカステル伯爵コレクション ギロシェ 2万7000円。価格は全て税込み。

カランダッシュ アルケミクス カーボン
1929年に発売され、後のシャープペンシルの給芯構造を確立する“フィックスペンシル”のDNAを継承。スイスの時計産業に負けない金属加工技術を駆使した、六角成形のアルミボディはバランスに優れ、絶妙な書き味を生み出す。ボディには信頼の証として“CARAN d'ACHE & SWISSMADE”の文字が入る。
[お問い合わせ:カランダッシュ ジャパン 03-6804-3201]

ファーバーカステル伯爵コレクション ギロシェ
銀細工で知られるヨーロッパの伝統的な装飾技術“ギロシェ(波縞模様)”のフォルムが美しい。ボディにラッカーをかけ、職人が丹念に磨き上げた独特の質感が目を引く。0.7mmの芯は、滑らかな書き味を約束。長さ、太さ、硬さという鉛筆の基準を確立させた歴史を受け継ぐ、ドイツの名門が手掛ける1本。
[お問い合わせ:ファーバーカステル東京ミッドダウン 03-5413-0300]

ボールペン選びでは “自分の手に馴染むボディ”“滑らかな書き味”、“飽きのこないシンプルさ”“長時間の使用でも疲れにくい”という筆記具選びの基本を押さえつつ、自身の 琴線に触れたものを手にするのが一番です。選び抜いた1本は、きっと快適な働き方をもたらしてくれるはず。時間を共有するほど味わい深く、ビジネスに欠かせない相棒として一生モノになりえます。

愛用の1本を握りつつ、美文字でカードや手紙をしたためれば、送られた相手にメール以上のインパクトを残せるはず。手にしっくりと馴染む、お気に入りの1本を探してみて。

ボールペン

華奢な指先に存在感のあるボールペンで、女度アップは間違いなし。さらりとスマートに「美文字」でレターを仕上げれば、ビジネス相手に自分を印象づけられる。

ウォーターマン メトロポリタン デラックス メタルCT
1883年に世界初の万年筆を発明した、フランスを代表する高級筆記具ブランドの自信作。細身のフォルムながら、独特の“ニッケルパラジウム”仕上げの装いが存在感を発揮。ボディを回してペン先を出す、ツイスト機構を採用。上品さが際立つボディが記す美しい筆跡は、相手に好印象をうながす武器になる。
[お問い合わせ:ウォーターマン 0120-673-152]

写真は上から/ウォーターマン メトロポリタン デラックス メタルCT 1万2960円、パイロット グランセNC 5400円。価格は全て税込み。

パイロット グランセNC
飽きのこないスマートなデザインで、日常の筆記作業をバックアップ。ジャパンメイドならではの求めやすい価格と、書き味にこだわった機能性が魅力。スリムなボディの握り具合は絶妙で、サラサラとした書き心地を生み出す、細めの0.7mmを採用する。ダークブルーをはじめ、全4カラーのボディが揃う。
[お問い合わせ:パイロットコーポレーション 03-3538-3700]

クロス クラシック センチュリー スターリングシルバー
ボールペンの先駆けとなる“スタイログラフィックペン”を発明した、アメリカで最も長い歴史を誇る老舗ブランドの伝統を受け継ぐ1本。“クロス=ボールペン”を不動にした基本形で、細身のボディに円すい形の“コニカルトップ”というシルエットが、メモを取る手元にエレガントさを加えてくれる。
[お問い合わせ:クロス・オブ・ジャパン 03-6264-9697]

写真は上から/クロス クラシック センチュリー スターリングシルバー 1万6200円、パーカー・プリミエ ソフトブラウンPGT 2万1600円。価格は全て税込み。

パーカー・プリミエ ソフトブラウンPGT
プレミアム感が漂う仕上がりだからこそ得られる、持ち手を喜ばす所有感たっぷり。ブラウンのソフトタッチラッカーのコーティングと、クリップに配したピンクゴールドのコンビネーションが優美さを演出。1888年の創業以来、長年培ってきた専門技術と、クラフトマンシップによる書き味は絶品。
[お問い合わせ:パーカー 0120-673-152]

 

大竹 良
1969年大阪府生まれ。出版社を退職後、2008年に独立。文房具から時計、カメラ、ホビーまでを扱う製品情報誌での編集経験を生かし、さまざまなジャンルの広告制作物、製品情報誌やビジネス誌で活躍。現在、腕時計を通じたライフスタイルを提案する季刊誌「オルロジュリー」(Dワークス刊)の編集長を務める傍ら、幅広い媒体で編集・ライティングの業務に携わる。