先日開催されたアラスカ産天然シーフードの試食会「アラスカ産のシーフードと純米酒のマリアージュ」。応募者多数のうちから厳正なる抽選により、知的好奇心旺盛な20名にご参加いただいた。応募動機はさまざまだったが、おしなべて参加者たちの心を射止めていたのは「100%天然!」というキーワード。養殖のシーフードも出回る中、天然もののおいしさは格別なのだった。

※前回の記事はコチラ!
天然もののシーフードのおいしさを本当に知っていますか?
アラスカ産シーフードの魅力を探る

アラスカ産シーフードはとにかく旨い

アラスカ産のシーフードは、紅鮭、たらこ、明太子などが日本の食卓で親しまれている。お酒との組み合わせで言えば、これまでワインとのマリアージュを探ることが多かったそうだが、今回はアラスカ産シーフードと相性の良い和食。しかも、巷で人気の純米酒とのマリアージュである。純米酒専門店「粋酔」日本橋東京店を会場に行われた。

利酒師でもある店長の島峯義典さんが試作を重ねて選んだ食材は、アラスカ数の子、ズワイガニ、紅鮭、アラスカきんきの4種。それらを、食材の滋味がちゃんと伝わるような調理法や味つけで料理5品に展開。その料理ごとにタイプの異なる純米酒をセレクトいただき、絶妙なマリアージュを自分たちの舌で確かめながら進行するスタイルである。

まずは、アラスカ産シーフードについて。「アラスカ産の天然シーフードは、まさに日本人の嗜好に合うおいしさです。海に囲まれている国に住む日本人は長く魚介類に親しんできました。それゆえに、魚介類のおいしさを感知する味覚に長けています。アラスカ産シーフードは脂ノリがいいのに身が締まっていますし、臭みがなくて香りもいい。これも、美しくて冷たい北の海で育った天然物ならではの味わいなのでしょう。とにかく旨味が濃くて、文句なしにおいしいです」と島峯店長は語った。

見事なまでの日本酒とのマリアージュ

さて、当日の「お品書き」は以下の通り。
【前菜】
●アラスカ数の子と白菜 生湯葉のおひたし
◎「宮寒梅」 純米吟醸45%(宮城/寒梅酒造)
●ズワイガニとイチジク びわの胡麻クリームがけ
◎「残草蓬莱」(ざるそうほうらい) 純米吟醸 Queeen(神奈川/大矢孝酒造)

【焼物】
●紅鮭のコンフィ イクラ醤油漬けと黄身おろし
◎「遊穂」(ゆうほ) 純米酒(石川/御祖酒造<みおやしゅぞう>)
●アラスカ数の子と枝豆の酒粕白あえ
◎「雄東正宗」(ゆうとうまさむね) 純米吟醸 生原酒 粋酔ブレンド(栃木/杉田酒造)
※酒粕白あえには「雄東正宗」の酒粕を使用

【煮物】
●アラスカきんきの和香草煮つけ
◎「村祐」(むらゆう) 紺瑠璃ラベル 無濾過本生(新潟/村祐酒造)
◎「奥 夏吟醸」 純米吟醸原酒(愛知/山崎合資会社)
※料理1品に対し、タイプが正反対な純米酒を用意。マリアージュの真髄を体験

参加者たちを最初に魅了したのは、アラスカ数の子のおひたし。

「お正月以外で食べるの初めて(笑)。おだしの旨味に寄り添っているのに、ポリポリ噛みしめると数の子のおいしさが染みだしてきます」

「なんといっても食感が魅力的。これからは、おひたしには数の子ですね」

ズワイガニに関しては、

「味が濃い。胡麻クリームもおいしいけれど、カニのおいしさが負けていない」

「ズワイガニの食べごたえが最高。フルーツと合わせると新たなおいしさを発見です」

そして、多くの人に感動をもたらした紅鮭のコンフィ。

「身がふんわりしているのに、しっとりジューシー。身の色もきれいですね。コンフィという調理法にも感動しました」

「鮭は国産に限ると思っていました。が、これは絶品。これからはアラスカ産を買い求めたいと思います」

「魚の皮が苦手だったのですが、この鮭の皮、おいしい。残さずに食べちゃいました(笑)。これ、買って帰りたい」

そして、再び登場した数の子には、ノックアウトされた人も。

「実は数の子が苦手だったんです。いや、日本酒との相性のよさもあるのでしょうが、なんだか数の子が好きになりました」

〆は、アラスカきんきの煮つけ。

「甘い醤油味の煮つけもいいですが、梅干しの酸味が隠し味のさっぱりした煮つけは日本酒にぴったり。勉強になります」

「アラスカきんきの質のよさが際立つ一品。脂がノッてとろとろとおいしいのに、あっさりとした味わい。食材選びは大切ですね」

「これは危険なおいしさ。煮汁も飲みきってしまいました(笑)。もっと食べた~い!」

かくして、“天然物シーフードの旨味×米の酒の旨味の饗宴”は大盛況のうちに終わったのでした。

食卓に、サステイナブルを選ぼう!

試食会を通して、アラスカが「Sustainable――サステイナブル=持続可能な」な漁業を守り続けている必然を実感することができた。人間がちょっと欲をかいて少しでも自然を壊してしまったら、たちまち生態系は崩れ、海からの恵にはありつけなくなる。養殖や畜養で増やすことはできるが、大海原を悠々と泳ぎ回る天然物との味わいの違いは瞭然だろう。余談になるが、アラスカ州の州魚はキングサーモン(マスノスケ)だ。どれだけ海を、海産物を大切にしているかが伝わってくる。

●質問1:どこで買えますか?
「原産国がアメリカ産となっている魚介はほとんどがアラスカ産です。まれに協会のシールが貼られていたりしますので、それも目印にしてみてください。また、ナチュラル&オーガニック食品を扱うネットスーパーOISIXでも扱っています」

●質問2:冷凍だけなのですか?
「アラスカの漁業では、鮮度の高いうちにさばき、超低温で急速冷凍します。鮮度を保つためにベストな方法を採用しています。なかには船内で冷凍加工できる工場機能を搭載した大型船もあり、さらには船上で荷さばきすることも。天然物のおいしさをそのままお届けしています」

島峯店長によると「多くの冷凍品は解凍すると旨味が流れ出てしまったりしますが、アラスカ産シーフードは旨味が逃げません。自然解凍するだけで、鮮度抜群な魚介がよみがえります。天然物という品質のよさを、ハイレベルな技術が支えていることがわかります」とのこと。

最後に、せっかくなので大好評だった2品の調理ポイントを島峯店長に教えていただいた。紅鮭のコンフィは、漬け汁に2時間漬け込んだ後、70℃のオイルで10~15分加熱調理。アラスカきんきの煮つけは、かつおだし、純米酒ベースの煮汁を淡口醤油と少量の味醂と砂糖で調味し、梅干しを入れ、強めの中火で20分調理、とのこと。ぜひ、お試しあれ!!

ALASKA memo

そうだ、アラスカに行こう!

日本にもっとも近いアメリカであるアラスカ州。細長くのびるアリューシャン列島によりハワイより550kmほど近いのだ。そして、全米一の面積を誇る広大な土地は、なんと日本の約4倍! 彼の地は、北アメリカ最高峰のデナリ(旧名:マッキンレー)を始めとする山々を擁し、圧倒的な氷河、生命を育むフィヨルド、そして幻想的なオーロラなど、手つかずのワイルドな自然の宝庫である。人間はなんてちっぽけなんだろう。つい、そうつぶやいてしまうほどに、アラスカは雄大なのだ。動植物がありのままに生息し、循環しているアラスカにおいては、人間はお邪魔させてもらっている存在にすぎない。それほどまでに偉大なアラスカの自然は、体感するに限る!

State of Alaska / Talkeetna Air Taxi

●アクセスは?
アラスカ観光の窓口は、アンカレッジまたはフェアバンクス。日本からは、ワシントン州のシアトル経由が一般的だ。そのほかのトランジットとしては、アメリカのポートランド、サンフランシスコ、カナダのバンクーバーなどがある。所要時間は13~14時間。

また、夏と冬の繁忙期には期間限定でチャーター便が就航。所要時間は7時間ほど。ただし、こちらは個人旅行では利用が難しく、ほとんどがパッケージツアー。好みのアクティビティを体験できるツアーを探してみよう。

●オーロラを観たい!
オーロラベルトに位置するアラスカでは一年中オーロラが出ているが、確実にオーロラを観るなら白夜が終わる8月~4月がお薦め。オーロラ鑑賞の聖地とまでいわれるフェアバンクスでの平均観測日数は年間240日超。アラスカシーフードマーケティング協会のスタッフによると、とくに10月~3月がベストシーズンとして狙い目だそう。

State of Alaska / Brian Adams
【こちらのキャンペーンは終了しました】
アラスカ産シーフードの特別メニューを期間限定でご提供!(東京日本橋)
今回の試食セミナーでご提供したアラスカ産天然シーフードの特別メニュー2品を期間限定でご提供します。天然ものゆえのおいしさと、いま人気の純米酒のマリアージュを味わえる機会をお見逃しなく!
◆純米酒専門店「粋酔-SUISUI- 日本橋東京店」
営業時間:月~金17:30~21:00(22:00ラストオーダー)
東京都中央区日本橋3-7-10 タンペイ日本橋ビルB1
http://r.gnavi.co.jp/4mgux67p0000/
◆ご提供期間(予定)2016年7月11日(月)~22(金)頃まで
※ご提供期間やご提供内容は一部変更する可能性がございます。何卒ご了承ください。