夏休みの時期は、気が重くなる母親たち

小学生は、いよいよ夏休みがスタート。子どもたちは、プールやキャンプ、海水浴や旅行など、楽しいことがいっぱいで、ワクワクしていることでしょう。

それに対して、母親たちは冴えない顔。毎日子どものお昼ご飯を作らなくてはならないうえ(いつもの学校給食がいかにありがたいことか!)、朝からガミガミ言い通しで宿題をさせ、子どもが喜びそうなレジャーにも連れて行ってやらないといけません。自由研究に何をやらせるかも頭の痛いところですよね。

子どもの夏休みのすごし方といえば、学校のプールに通わせたり、おけいこごと、スポーツの練習に力を入れたり。塾の夏期講習に行かせるのも選択肢のひとつ。子どもだけのキャンプや合宿に参加させるというご家庭もあるのではないでしょうか? 無料の学校のプールなどを除いては、少なからずお金がかかることばかり。お宅では、この夏休み、子どもにいくらかけて、何をさせますか?

「学童保育」は、自治体によって料金も運営体制も違う

母親が働いている場合は、小学生の子どもを昼間ひとりでずっと留守番させるのはちょっと不安。多くの働く母親が利用しているのが「学童保育」です。

学童保育は、共働き世帯の子どもが放課後や夏休みなどの長期休暇を生活の場としてすごす場所。私も3人の子どもたちを通わせていました。

夏休み中は毎朝お弁当を持たせなくてはいけないのでたいへんでしたが、朝から夕方まで学童クラブで生活してくれていたから、安心して働くことができて、助かりました。

私が子どもを通わせていた東京都府中市の学童クラブの育成料は、月に5000円。それに間食費(おやつ代)1800円で、合計6800円でした。しかし、広島市のように学童保育の育成料が無料、というところもあれば、横浜市のように月に1万5000円程度かかるというところまでさまざまです。これは、小・中学校などの公的な教育機関と違い、学童保育はその運営体制が自治体にまかされていてバラバラだからです(自治体が運営、民間企業が運営、父母会で運営などさまざま)。

夏休みの学童クラブの開所時間は、8時30分~18時が一般的で、自治体にまかされていてこれも違います。早朝、夕方の延長保育を実施しているところもありますが、別途延長育成料がかかる場合も。学童クラブは、基本的に前年度の2~3月に申し込み、4月から1年間通うものですが、夏休みのみの利用を受け付けている自治体もあります。

専業主婦世帯も通える「放課後子ども教室」

学童保育とは別に、主に学校の空き教室を借りて、「放課後子ども教室」という事業が行われている自治体も増えています。これは、共働き世帯の子どもに限らず、その学校に通う子どもが登録すれば通える子どもの遊び場。利用料は、年間500円程度の保険料負担のみという場合が多いよう。夏休みは、いろいろなイベントや行事などを行っているので、目当てのイベントに参加するのもいいでしょう。

この制度も自治体によって運営体制がまちまちで、毎日開所していない場合や、お昼は一度自宅に戻ってご飯を食べる体制になっている場合も。放課後子ども教室は、遊びたいときにだけ行ける児童館のような事業です。住んでいる自治体で実施していれば、登録して利用することができます。

高学年になったら、学習塾に通う子どもも増加

学童保育は、小学校3年生まで(自治体によっては6年生まで)という自治体も多く、4年生以降は学童保育には頼れなくなります。そうすると、放課後子ども教室や、塾・おけいこごとなどに通わせて日中をすごさせるという選択肢になりがち。

学校の宿題以外の学習もさせたいと思ったら、学力の充実を図るために通う塾があります。

学研教室の夏の特別教室は、算数・国語の2教科で、1回1時間程度の教室学習が9回と約1カ月分の家庭学習プリントで8230円(税込)。

テレビのCM「くもん、いくもん!」で知られているくもんの夏休み特別学習は、算数・国語・英語の3教科で、1教科6480円(税込)。1教科、週2日で1日あたり約30分。

これで少しはやる気を出して、勉強してくれるようになるでしょうか?

中学受験をさせる場合、夏期講習には30万円必要!?

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小学生の夏休みのすごし方 費用と時間の例

一方、中学受験を目標とする子どもたちにとって、夏休みはまとまった時間を学習にあてられる大事な時期。進学塾で有名な四谷大塚の場合、小学5年生の夏期講習は13時10分~18時45分と約5時間半(休憩時間含む)なのに対し、小学6年生は9時~16時50分(休憩時間含む)と、ほぼ1日勉強漬けとなります。その分、費用もかかり、小学5年生では16日間とテスト2日で9万5000円(税込)の料金が、小学6年生になると、20日間とテスト2日で17万8000円(税込)かかることに。

塾によっては、それに加えて、夏期集中合宿で約10万円、科目ごとに弱点克服、集中講座などと、さまざまなオプション講座が選択できるため、あっという間に30万円以上というすごい金額になってしまいます。

中学受験をする場合は、このあとも後期の塾代、直前講習、受験費用に、入学後の学費など、これからもお金のかかることばかり。受験対策でお金を使いすぎて、入学後に学費が払えなくなることがないように、親も計画的に準備していく必要があります。

お金をかけるばかりがいいわけではありません。公立の図書館や博物館なども大いに利用して、調べ方、学び方を身につけさせるのもいいですね。

40日あまりある夏休みは、子どもにさまざまな経験をさせてやれる機会でもあり、日頃できない勉強ができるいい機会でもあります。安全には十分に気を付けて、子どもたちの楽しい時間が、より充実したものになるよう、親はサポートしていきましょう!

※各学習塾の夏期講習の費用と時間は、ホームページなどに掲載されているものを参照しました。

フリーライター 生島典子(いくしま・のりこ)
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり。