結婚相談所に通う男性で、いつまでも結婚できない人にはどんな特徴があるか。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんは「自分よりも若い女性との結婚にこだわる男性は、婚期を逃してしまうことが多い。毎月100人の年下女性にお見合いを申し込んでいる年収550万円・40歳男性の会員がいるが、いまだにお見合いが1件も組めていない」という――。

※なお、本稿は個人が特定されないよう、相談者のエピソードには変更や修正を加えている

手のひらでバツ印を作る女性
写真=iStock.com/CHUNYIP WONG
※写真はイメージです

「おじアタック」は50代だけではない

「おじアタック」という言葉をご存じだろうか?

これは、婚活界隈で使われる俗語であるが、年上の男性が、年下女性にアプローチすることを指す言葉である。

この言葉からは、50代以上の男性が、20代~30代前半の年の離れた若い女性に、ダメもとでも“ワンチャン”あればと、結婚相談所でのお見合いを申し込む姿を想像しがちだ。だが実際には、「おじアタック」はアラフォーの男性たちこそ自覚のないままに日々やらかしている行動なのだ。

これは、結婚相談所で婚活している女性なら誰もが経験する現象であり、彼女たちが自分の価値や評価を疑い、悩む原因にもなっている。

今回は、50代以上の男性だけでなく、結婚相談所に登録している36歳以上の男性がやらかす、“若年おじアタック”について解説する。

婚活女性が重視するのは「年齢差」

そもそも、何歳から「おじさん」といえるのだろうか?

見た目や主観を脇に置き、人口統計だけで線を引くなら、ひとつの目安は50歳前後だ。総務省統計局の2026年3月1日現在の人口推計をもとに試算すると、日本人男性の年齢中央値は約49.6歳。男性を若い順に並べたとき、ほぼ50歳がちょうど真ん中に来る計算になる。

ただし、これは社会全体で見た場合の話だ。婚活市場で「おじさん」と見られるかどうかは、自分の絶対年齢よりも、相手との年齢差に左右される。たとえば41歳男性が31歳女性に申し込めば、相手から見れば10歳上。これも立派な「おじアタック」だ。

しかも、このアラフォー世代は、自分を「おじさん」認定していないからたちが悪い。

結婚相談所に登録している30代前半の男性は、婚活市場においては、女性より数が少ない。出産を考えて、アラサー付近で結婚相談所に登録する女性が多いのに対し、男性は自分が出産するわけではないと、30歳前後ではまだ焦らない。

年齢が近い人と結婚したいと願うアラサー女性たちにとって、その希少価値から、30代前半男性は非常にニーズが高い。

スマホを使用する女性
写真=iStock.com/Sayaka N
※写真はイメージです

ところが、これもアラフォー付近になると、男性のほうが登録者が多くなる。36歳までの男性たちが、結婚相談所で激モテしていたのに、40歳に近づくと様子はにわかに変わる。

「まだ38歳だし」と28歳に申し込む

「まだ結婚相談所は早い」と、おじさんの自覚がないままのんびり構えていたアラフォー付近の男性たちは、いざ婚活を開始すると、結婚して子供が欲しいと、できるだけ若い女性にお見合いを申し込み始める。

「まだ38歳だし」と28歳にお申し込みしている自分の行動が、立派な「おじアタック」でしかないことに気が付かないままに、である。

そのような実例は少なくない。40歳の男性。大卒、中堅メーカー勤務で年収は550万円。結婚相談所に39歳で登録した。どこにでもいそうな、ごく普通の印象の40歳で、登録した理由は、結婚して子供が欲しいから。

彼がお見合いを申し込むのは、共働きしてくれる34歳までの女性限定。毎月100人くらいの女性にお申し込みをするが、その多くは28歳~32歳の女性で、まずお見合いは受けてもらえない。

彼の場合は、加えて恋愛経験がないからか、女性を選ぶ判断基準が「顔」しかない。女性の学歴にも年収にもこだわらないが、「若くてかわいらしい女性」にしか興味がない。

ごくまれに彼にお申し込みが来ることもあるが、お相手が同い年か1~2歳年下だと、せっかくお申し込みいただいたのにお見合いしたくないと言う。

同世代を「おばさん」と呼ぶ40歳男性

あまりにもお見合いが成立しないので、私からこう伝えてみた。

「今は年齢は2歳差くらいまでの同世代婚が主流ですから、もう少し年齢の近い方にお申し込みされたらいかがですか? お子さんが欲しいお気持ちはわかります。でも20代だからとお子さんを授かれる保証もないですし、40歳を過ぎて結婚されてお子さんに恵まれた方もたくさんいます」

すると、彼の表情は一変し、

「年齢が近い方は、『おばさん』にしか見えませんから、結婚できません」

と言い放った。

同世代が「おばさん」なら、あなたも「おじさん」ではないの?――と、心の中でツッコミを入れてしまった。

結婚相談所にはおじさんと結婚したい若い女性がいるとでも思っているのか。いまは、女性も男性と同じように社会で活躍し、それなりに収入も得られるなか、10歳も年の離れた平均的な年収の男性をわざわざ結婚相手には選ばない。

彼は、共働きしてくれて、子供を産んでくれる若くてかわいい女性の幻想を追いかけて、「おじアタック」に励んでいるが、入会して2カ月経つのに、いまだに1件もお見合いが組めていない。彼の婚活に卒業の日はくるのであろうか。

「5歳差婚」には年収1500万以上が必要

彼の感覚がどれほど現実から外れているか、データで見てみよう。

日本最大級の結婚相談所ネットワーク・IBJが公表している「成婚白書(2026年版)」の「『お金があれば若い子と結婚できる』は本当か?データが突きつける年の差婚の現実と必要な経済力」によると、女性はどの世代も年齢2~3歳差の相手を希望している。男性の年収別のデータを見ても、年収1000万円ほどの男性で、成婚相手との年齢差は4歳ほどにとどまる。5歳以上になれば、1500万円以上の年収が求められるということだ。

さらに、8歳以上の年齢差で結婚するカップルの男性の年収は、2000万円以上である。もちろん歳の差婚にもさまざまな事例があるとは思うが、基本的にはかなりの経済的余裕がなければ自分と5歳以上離れた相手と結婚するのは難しいと考えたほうがいい。

【図表1】男性年収とお相手女性との年齢差
婚活女性との年齢差が離れれば離れるほど、男性の年収は上昇していく〔IBJみらい研究所が公表した「成婚白書(2026年版)」より〕

「高学歴・高収入女性」を求める中高年男性

さきほども紹介したように、彼のようなお申し込みの多くは、相手の女性に届いていない。

多くの男性が、自分より若い女性と結婚したいと希望する。しかも願わくば、より条件の良いハイスペック女性であれば申し分ない。とくに、年収1000万円近い30代女性たちには、年の離れた年上男性たちから、連日たくさんのお見合いのお申し込みが届く。

大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)
大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)

彼らの年収は彼女たちより高いかもしれないが、年齢は一回り近く上と大きくかけ離れている。それでも「収入は似たようなものだし、自分にふさわしい相手は仕事ができ、対等に付き合っていける人がいい」と、おじさんたちに遠慮する気持ちなどない。

また結婚相談所に登録している年収が高い女性は、大学院卒、一流大学卒などの高学歴であることが多いが、高卒や専門卒の男性からも多数の申し込みが来る。

ハイスペ女性たちが望んでいるのは、自分と似たような年齢、学歴、収入がある相手とのご縁。年齢や学歴、収入が大きくかけ離れた、このような“格差申し込み”は、ほとんどの場合、仲人がブロックする。

「私には合わない方々からの申し込みが多くて」と、ハイスペ女性たちが「おじアタック」の被害者となって婚活に辟易してしまわないようにするためである。

「自分は若い」の勘違いは致命的

さきほども紹介したように、女性がもっとも重視するのは、収入や学歴の格差以上に年齢差だ。

自分はいつまでも若く、感覚は20代だと思い込んでいるアラフォー男性に、魅力を感じてくれる女性はいるのか?

TikTokで流行っているダンスも知っているし、インスタチェックは毎日欠かさない。どんなに年下の女性が相手でも「自分なら感覚が合う」と思い込んでいる男性は、ただの「幼稚なおじさん」としか見られない。その現実に、なぜ気づかないのか。

高望みをやめた人から幸せになっていく

婚活市場における「おじアタック」は、年齢ではなく、「年齢差」によるもの。20代女性から見たら、40歳付近の男性は立派な「おじさん」である。

女性の希望は「同世代」という事実を受け止めて、「自分と並んだ時にしっくりくるのは誰か」を地に足をつけて考えてほしい。婚活において重要なのは、相手との釣り合いだ。

いつまでたっても実らない高望みの「おじアタック」は卒業して、身の丈に合った年齢の近いお相手にお見合いを申し込んでいく人から、幸せになっていく。それが、まぎれもない現実なのだ。