※本稿は、西﨑彩智『貯まる片づけ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
子供部屋が片付いていないと「出費が増える」ワケ
机の上は、勉強道具と遊び道具が混在。床には、ランドセルや衣類が散らかっている。クローゼットの中には、サイズアウトした洋服やおもちゃなど、小さいときに使っていたものがたくさんある。あちこちに工作したものもあるけれど、思い出のものをとっているというより、ただ放置しているだけ……。
子ども部屋が片づいていないと、家の支出が増えます。なぜなら、子どものものは買い替えの緊急度が高いから。例えば、「明日使うコンパスがないから買ってほしい」「部活で履く靴下の片方がないから、また買って」といった具合。ダブりが発生していようと、すぐに用意するしかないので、余計なお金がどんどん出ていきます。
また、子ども部屋が片づいていれば、友だちを家に呼んで遊べるのに、片づいていないばっかりに「外で遊んできて」となります。それでまた子どもに渡すお金がかかる。
私自身がそうでした。離婚前は家が散らかっていたので、子どもたちに「家に友だちを呼ばないで」と伝えていて、子どもたちはいつも友だちとファストフード店に行っていました。最近はファストフード店も安くありませんし、毎日となると、塵も積もれば山となるで、月に数千~数万円の出費になってしまいます。
快適な子ども部屋にするための3ステップ
ものであふれている子ども部屋を、どう片づけていけばいいのでしょうか。ゴールは、子どもに「片づけた空間は快適」という経験をさせること。そのための手順は次の通りです。
●ステップ1 自室で何をしたいか、子どもに決めさせる
子どもの年齢によりますが、小学生ぐらいの子なら、親がリードしすぎず、子どもに部屋の使い道を決めさせましょう。勉強したい、友だちと遊びたい、ゲームをしたい……、どれをメインにするかで、何をどれだけ捨てるか、どこに何を配置するかの判断が変わります。ここを親が決めてしまうと他人事になり、のちに散らかりがリバウンドします。
●ステップ2 「使っている」と「使っていない」に分ける
部屋の用途が決まったら、子どもと一緒に「使っているもの」と「使っていないもの」に分けて、サイズアウトした服など使っていないものは処分しましょう。使っているものについては、使用頻度で分けて、いつも使うものは「定位置」に置いておきます。そうしないと、子どもがいざ使おうとしたときに「ない!」となりかねません。
●ステップ3 不要品はリサイクルに出すか、処分する
不要なものは、まだ使えるならリサイクルに出しましょう。特にサイズアウトした子ども服は、大人の服以上に売れます。やはり、みんな賢く買いたいのか、ネットでの取引は盛んです。
ただし旬のキャラクターものは売れるけれど、それを過ぎると、とたんに売れなくなります。ですから早いサイクルで回したほうがお金になりやすい。おもちゃやぬいぐるみなども、場合によっては売れることがあります。リサイクルに出せないものは、思い切って処分しましょう。
「教科書や参考書は、いつまでとっておけばいいのでしょうか」という質問をよく受けますが、小学校の教科書は、ほとんど見返すことがないでしょう。どれをとっておくかは子どもと相談し、子どもが不安がったら、先生に確認させるといいですね。
子供部屋の片づけで「絶対にダメ」なこと
子どもが小学生のうちは、親が一緒に片づけるのはOKですが、勝手に片づけるのはNGです。
なぜなら子どもの自己管理能力が育たないから。自己管理能力とは、自分の感情や行動をコントロールして、目標を達成する能力のこと。時間管理や健康管理もそうですが、片づけも自己管理の基本中の基本です。
子どもが自分で片づけられるようになると、自己管理能力が高まるだけでなく、決断力や段取り力、行動実践力なども身につきます。片づけができるようになって、「自分から勉強するようになった!」「成績が伸びた!」「行きたい学校に合格した!」、そんな報告をたくさん耳にします。
また片づけると「できた」という成功体験が積めるうえ、片づけることが「怒られるからやる」ではなく、「気持ちいいからやる」に変わり、継続しやすくなります。これらはすべて、大人になったときに必要なスキルの土台です。つまり片づけると、生きていく力を養うことができるのです。片づけで子どもの生きる力を養うことは、子どもがいずれ自分の力で収入を得ていく力を育むことにつながるでしょうね。
親はイライラするけれど…中高生が片づけられない理由
とはいえ中高生になると、なかなか片づけられなくなるもの。その理由は、いくつかあります。
1.管理するものの量と種類が増える
小学校よりも教科数が増え、教科書や参考書、プリント、テストなども増えていきます。加えて塾の教材もあるので、片づけが煩雑になります。
2.忙しくて時間がない
学校の授業はもちろん、部活や塾、友だちとの約束など、小学生時代に比べると格段に忙しくなります。家で過ごす時間が減り、結果的に部屋は散らかったまま。
3.片づける気力がない
学校では授業や部活、塾から帰ってきたら宿題や予習・復習……、やることに追われて片づける気力も余力もない。そのため、どうしても片づけが後回しになっていきます。
4.片づけなくても困らない
小学生時代は親から叱られて「片づけなくちゃ!」と思っていても、中高生になると、親の目がそこまで届かなくなり「片づけなくても、そんなに困らないかも?」と思うように。
最低限、毎日の学校の支度が何とかなれば問題ないし、友だちも遊びに来ないし……と片づけのOKラインが下がっていきます。
5.親に褒められたい気持ちが減る
部屋を片づけると「きれいになったね!」と親から褒められることがうれしくて、それがモチベーションになっていた小学生までと異なり、中高生になると、部屋をきれいに保つことで親から褒められることはほとんどなくなりますし、そもそも親の言うことを聞いて褒められようという気も薄れます。まさに思春期です。
6.ホルモンバランスが乱れやすい
思春期は、ホルモンバランスが乱れやすく、心も頭も散らかりがち。結果的に、部屋や机も乱れていきます。中高生が片づけられないのにはこんな理由があるので、親の側はある程度「仕方ない」と割り切る気持ちも大事です。
「つける」「消す」は習慣化させる
ただ照明やエアコンのつけっぱなしは困りますから、そこはちゃんとコミュニケーションをとりたいところ。電気代の明細を見せながら、「これだけのコストがかかるんだよ」という事実を伝えていくといいでしょう。
そもそも“つけっぱなし”という状態は、片づいていない家にありがち。片づけというのは、一つずつ完了させていくことの繰り返しです。照明を消す、エアコンを消す、と作業を一つずつすませる習慣は、子どもにも教えたほうがいいでしょう。
私も、子ども部屋のドア近くに、エアコンのリモコンホルダーを設置して、「部屋から出るときにはエアコンの電源を切って、そこに置きなさい」と、習慣が身につくまでやかましく言っていたものです。
思春期の子に接するときの注意点2つ
思春期の子を持つ親が、頭に入れておきたいことは次の2つ。
1.声のかけ方
「~して」と命令すると子どもは反発します。「~してくれないかな」とお願いしてみましょう。また、子どもには子どもの時間があるので、急に頼みごとをせず、アポをとるようにしましょう。
2.子どもを頼る
自分には手が届かない「高いところにあるものをとる」といったことを子どもに頼ってみると、子どもは「親にもできないことがある」と理解して、親への見方が変わります。
ちなみに、わが家で実行したのは次の通り。
● テストが終わったタイミングでの片づけを約束しておいた
● 日付を決めて、カレンダーにチェックした
● その日に自分も別の場所を片づけた
● リビングなどの共有スペースには、私物を出しっぱなしにしない
● 本人のやりたいことなど、未来について話し続けた
● 店で一緒に家具を選んだり、好きなインテリアの話をしたりした
● 子どもの友だちを家に招くことを快く了承した
その結果、息子は自分から片づけられるようになり、のちの就職活動で、自分の特技は片づけであり、片づけによって「逆算思考」「行動実践力」「情報を整理する力」が養われたことをアピールして、IT企業とマーケティング企業から内定をゲットしました。
片づけができていることで、本人の自己肯定感も向上していたようです。
まずは「手伝いができる」家に
いずれも大事なのは、まずは親が率先して動くこと。そうすると、やがて子どもも協力的になるので、自分が仕事で留守にしても家が回ります。その分、自分の収入アップにもつながっていきます。
家が片づいていなければ、子どもを手伝わせることもできません。親も家の中のどこに何があるかわからないから「探して、私がやったほうが早い」と、つい親がすべての家事をやってしまう……。そうすると子どもはいつまで経ってもお手伝いができません。
だからこそ、まずは家を片づけて、どこに何があるかを家族と共有することが重要なのです。
▼貯まる片づけ語録
それは未来に持っていきたいもの?
ものが手放せない原因のひとつは、過去に執着していること。それは、未来の理想的な暮らしに必要なものですか? ちょっと違うなと思ったら、それは十分に役目を果たしてくれたサイン。感謝して手放すことで理想の生活に近づくはず。
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