※本稿は、西﨑彩智『貯まる片づけ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
冷蔵庫やパントリーの奥から出てくる、出てくる
ゴールデンウィークやシルバーウィークなどの大型連休に、旅行に出かけるという人は多いでしょう。
「お片づけ習慣化コンサルタント」としては、こういう気分が高まっているときほど、気をつけてほしいことがあります。というのも、受講生さんたちにキッチンを片づけてもらうと、道の駅で買ったらしき調味料や乾物などがたくさん出てくるからです。
特に、冷蔵庫に入れておけばいつまでももつんじゃないかという幻想から、忘れ去られたドレッシングやスパイスオイル、ドリンク液などが、冷蔵庫の奥から出てくる、出てくる。たいていは口が開いていて、1回か2回ぐらいは使っている。賞味期限を見てみると、半年前どころか1年前というものも、けっこうあるのです。
冷蔵庫以外に、パントリーや引き出しにも、野菜や海藻、魚介類の乾物など地方の名産らしきものが、たくさん詰まっています。これらも、たいてい賞味期限切れ。本当にもったいないですよね。
私自身、過去に失敗したのが、ジンジャーエール系の手づくりドリンク液。炭酸で割ったらおいしそう、という商品を地方の道の駅で買ったけれど、つくって飲んだのは2回ぐらいかな。大量に残ったまま、気がついたら賞味期限が迫っている。成分を見たら、しょうがや砂糖だったので、肉を煮る調味料として使ってギリギリセーフ。どうにか捨てずにすみました。
そして次にまた別のところに行ったときに、同じようなジンジャーエール系の液を見つけて「うわ~、おいしそう!」と手が伸びそうになりました。
が、その瞬間、「待て待て、私は手づくりドリンクを買ってもつくらない人じゃん」と我に返って、買わずにすみました。
旅に出る前に必ずしてほしいこと
旅先に行くと、つい気分が高揚し、そこにしかない珍しいものを見かけると飛びついてしまうなど、財布の紐は緩みがちです。でも、そういうときに「待て、待て」と冷静に自分を客観視して、ストップをかけるには、とにかく旅に出る前にキッチンを片づけること。特に冷蔵庫とパントリーを整理してから、旅に出てほしいです。
その際のポイントは2つ。1つは「これはまだ食べられる」という、生きているものを確認すること。それは旅先で買わずにすみます。
もう1つは、賞味期限が切れている「もう食べられない」ものを確認、処分し、そこから自分のパターンを知ることです。
私の場合、手づくりジンジャーエール系の液を見ると、「うわ~買いたい」となる。でも、その自分のパターンをあらかじめわかっていれば、いざ同じものに出合ったときも「待て待て」と自制が効いて財布の紐は緩まないわけです。
「道の駅で買ってもいいもの」3つの条件
では、道の駅で売っている飲食物の中で、買っていいものとは何でしょうか。大きくは次の3つです。
1 試食しておいしかったもの
2 家族が好きな味のもの
3 以前、食べたことがあるもの
初めて出合うものは、いきなり買わず、まず試食をしてみましょう。道の駅には、試食できるものはたくさんあります。そして自分だけでなく、子どもや夫にも食べてもらって、おいしく食べるようなら買ってOK。あまり好きではなさそうなら、自分が好きでもやめておいたほうがいい。
家族が食べないと、自分一人で担うことになりますから。そして一人では食べ切れず、でももったいないから捨てられず、やがて冷蔵庫やパントリーの奥へ奥へ……。
続いて「調味料失敗あるある」2つのパターンはこちら。
1 いつもと違ったものにチャレンジしたい!
「調味料の失敗」でよくあるのが、からいものやクセのあるものです。ふだん使わない、変わった調味料を使って料理をしたけれど、家族に大不評だったというのはよく聞く話です。
そもそも彼らは、いつもの味が好き。特に子どもは、ある程度、決まった味のパターンの中で食べて育ちますから、変わったものを食べ慣れていません。ですから、変わったものを食べたいなら、外食をしたほうが手っ取り早いだろうと私は常々思っています。
2 つぶしが効かない!
「○○醤(ジャン)」と呼ばれる中華系の調味料も失敗しがち。「この料理をつくりたい!」と思って手に入れたけれど、そのレシピでしか使えず、応用が一切利かない。
でも、実は「○○醤(ジャン)」は簡単に手づくりできるのです。うちのスタッフで、子どもが小さくて「豆板醤(トウバンジャン)」が食べられないという人がいます。でも自分は食べたいから、ネットで調べたら、味噌、ゴマ油、醤油、一味で代用できることがわかった。これらの調味料なら家庭にありますよね。こんなふうにほかで代用できる調味料であれば、わざわざ買って冷蔵庫で死蔵させることもありません。
そもそも食事の目的は、楽しく食べること。食べたくないのに、もったいないから食べなきゃいけないものだらけのキッチンって、つらいですよね。捨てる罪悪感も大きい。だからこそ、自分の食べたいものと家族の食べたいものは、それぞれ別々に把握しておくことが大事です。
「食べ方」は明確か
道の駅に話を戻しましょう。店頭で試食できず、でも新しいものにチャレンジしたいときには、小さい瓶や小分けになっているものを買いましょう。
それで食べてみて、もっとほしいと思ったら、たいていオンラインやアンテナショップで手に入りますから、そこで改めて買えばいいと思います。
また調味料以外の乾物も、試食が大前提。さらに買うなら「いつ食べるだろう」「どんなときに食べるだろう」「どうやって食べるだろう」と、頭の中でシミュレーションしてほしい。日持ちがするものは、とりあえず買って放置しがち。
魚介類なら、それをいつおかずとして出すのか、野菜や海藻なら、和え物にするのか、汁物に入れるのか、「こうやって食べる」というのが明確になっていれば、「とりあえず買い」を防ぐことができるでしょう。
要冷蔵の魚の干物は、すぐに食べないなら、小分けにして冷凍しておくのがおすすめ。解凍してグリルで焼くときに、日本酒を振るとふっくらしておいしく焼けますよ。
でも、そんなことをしなくても、旅から帰ってきたら、積極的に食べるといいですね。「楽しかった」というテンションのまま、買ってきたものを食べると、思い出話にも花が咲きますし、ずっと楽しい思い出として記憶に残ります。また、みんなで行きたいねってなりますよね。
マーケティングの渦に巻き込まれていないか
道の駅で消費し切れないものをつい買ってしまうのは、「気が大きくなっている」「二度と買えないかもしれないという焦燥感」「目新しく感じる」……といったことが原因。つまりマーケティングの渦に巻き込まれているのです。
でも、そんな商品を家に持って帰っても、自分の生活にフィットしない。おしゃれなドレッシングを買っても、おしゃれな料理をつくる習慣がなければ、使うことはありません。帰宅して仕事が始まれば、いっそうそんな料理をしている場合ではなくなるはずです。
連休を前にすると気分が上がるかもしれませんが、「今年の連休の私は違う!」などと、ありもしない自分に期待するのは、もうやめましょう。だからこそ、旅に出る前のキッチンの片づけはマスト。「こういう食品を無駄にしてきたな」と自分を振り返る機会になるからです。
なかなか改善しない人向けの最後の手段
これは旅行前だけでなく、ふだんの買い物でも同じでしたよね。事前に「まだ食べられるもの」と「もう食べられないもの」を確認し、自分の失敗パターンに気づく。ダメな自分と向き合い、受け入れて、同じ失敗は二度としないと肝に銘じる。そうすれば、お金の回り方も変わってきます。お金が貯まる人は、これが自然とできている人、己をよく知っている人です。
ただ闇雲に節約するだけではなく、例えば「うちの調味料は、これだけあれば十分」ということがわかったら、同じ醤油でも、近所のスーパーの安売りの醤油ではなく、ワンランク上のこだわりの商品を選ぶなど、より有意義にお金を使えるようになります。片づければ、お金の回り方も変わるし、料理もおいしくなるのです。
それでも、なかなか改善しない人に最後の手段です。一度、死蔵して捨てたものの金額をすべて計算してみてください。道の駅で買ったあのドリンク液1200円、家族が使わなかったあのドレッシング1000円、買ったまま放置していたあの乾燥ワカメ1000円……と、けっこうな金額になるのではないでしょうか。思わず気持ちと財布の紐がキュッと締まるはずです。
衝動買いしたくなったら、自分に3つの質問をとはいえ、せっかく行った旅先ですから、新しいものに出合ったらちょっと試してみたくなるのが人情です。そんなときは、レジに持っていく前に、次の3つの質問を自分に投げかけてみましょう。
「何を手放せるか」「どちらが大切か」
1.「私、これ帰ってから使う?」
帰ってからは使わないであろうものは、買わない。
2.「これを使うために、何を手放さないといけない?」
家にものを増やしたら、その分、何かを減らさないとどんどん家は散らかっていくので、「代わりに何を手放せるか」「どちらが大切か」考えます。
3.「本当に、ここでしか買えない?」
令和の今、全国各地の名産は、ほとんどオンラインで買うことができます。東京なら、アンテナショップに行けば、たいていの名産・名物は手に入りますよね。わざわざ現地で買う必要はないかもしれません。
購入する前に、この3つの問いを自分へするように習慣化した結果、「旅先でものを買わなくなった」という受講生さんは多いです。このように「自制」の仕方を覚えれば、日々の買い出しでも無駄遣いが減り、お金が貯まる人へと自然と近づいていきます。
「今までは、無意識に目につくままに買っていました」そのように話す受講生さんに、過去たくさん出会ってきました。
旅前にわかる、お金が貯まらない人の特徴
お金が貯まらない人には、特徴があります。
それは、旅の準備が甘いこと。旅の準備が甘いと、忘れものが増えて、現地で調達することになります。
例えば、寒くてアウターを買う、雨が降り出して傘を買う、スマートフォンのバッテリーを忘れて買う、スキンケアアイテムや化粧品を忘れて買う……、とにかくいたるところで、無駄遣いが発生します。
お金が貯まらない人たちは、そもそもの計画に無理が多いのも特徴の一つ。
「安いからと朝いちばんの航空チケットを予約したのはいいけれど、寝坊して乗り遅れてチケットを買い直すはめになった」
「交通費を節約して夜行バスにしたのはいいけれど、疲れ果てて現地であまり活動できなかった」
「無理な計画に疲れて、ホテルから出たくなくなり、延長料金をとられた」
そんな話も聞いたことがあります。
事前準備は、なるべく早くする。荷物の準備は、遅くとも前日までに完了させておく。そのための時間を、きちんと確保しましょう。それが無駄遣いを減らし、お金が貯まる人に変わる第一歩です。
私の荷物の準備は、とても簡単です。
1泊であれば、最低限の洋服にプラスしてストールやマフラーなど温度調節できるものを1枚持っていく。寒さや雨が心配なときは、コンパクトに丸められるダウンベストや軽量の折りたたみ傘を入れておく。靴は、どこに行くか想定できれば、1足で十分です。化粧ポーチも、ふだん使っているものを、そのまま持っていけるようにしています。
アイテムでいえば、風呂敷は便利です。洋服を包むのにも使えるし、温泉に行くときの着替えも包んで持っていけます。結び方次第で、エコバッグにもなるし、リュックにもなる。寒いときは、なんとスカーフ代わりにもなります。1枚入れておくと何かと重宝しますよ。
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