非正規女性は婚活で不利と言われることがある。本当なのか。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんは「時給1400円の保育士(34歳)が年収1200万円のハイスペック男性のプロポーズを射止めた。大切なのは、学歴でも年収でも見た目でもない。婚活で大切なのは“2つの武器”を持つことだ」という――。

※なお、本稿は個人が特定されないよう、相談者のエピソードには変更や修正を加えている

手をつなぐ男女
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「年収非公開」の女性は選ばれにくい

男性が外で稼ぎ、女性は家庭を守る。そんな時代ははるか昔。令和の現代は、共働き家庭がほとんどを占め、「共働き、共家事、共育児」の時代である。

そんななか、非正規雇用の女性は、婚活市場においては残念ながら人気がなく、「専業主婦希望」ともなれば、砂漠でダイヤモンドを探すレベルに、お相手探しに苦労するのは紛れもない事実である。

とくに、年収1000万円を超える男性でも、この傾向は見られ、正社員として二人で働き、子供を授かったとしても、育児休暇を二人で取得。夫婦二人で力を合わせ、実家が近ければどちらかの両親のサポートも受けながら、子育てをしていくいわゆるパワーカップル家庭が多い。

結婚相談所の婚活においては、男性の年収は必ず公開されているが、年収の公開が自由な女性も、年々年収を公開する傾向が増えている。IBJ「成婚白書2024」によると、実際にお見合いのお申し込み受け件数も、年収非公開の女性より、年収公開の女性が約倍の申し受けがある。

つまり年収を公開している女性のほうが、出会いのチャンスが年収非公開女性と比べ、2倍あるということになる。

【図表1】女性 年収公開状況別成婚率
年収を公開している女性の成婚率が46.1%なのに対し、非公開の女性の成婚率は24.0%と公開している女性の約半分(出所=IBJ「成婚白書2024」より)
【図表2】女性 年収公開状況別交際データ(中央値)

女性の大学進学率も、5割を超え、知識や資格を手に入れ、性別に関係なく社会で活躍している中、結婚を機に寿退社をする理由も必要もないのだ。

「見えている地雷」は本当なのか

共働き家庭の理由は、経済的な安定を求めることが最大の理由で、年々高額になっていく住宅購入、子供の教育費、どちらかが病気やケガにより働けなくなった際のリスクヘッジなど、共働きによる生活の豊かさを求めているからである。

女性側が、男性に経済力を求めるのは、今も昔も変わりがないが、令和においては、男性側も女性の経済力を求めている。そうした婚活市場において、非正規雇用の女性を「見えている地雷」などと表現する人もいる。それほどまでに、経済力のない女性は人気がないのだ。

だが、女性にも経済力を求める男性が多い中で、高所得のハイスペック男性から選ばれる非正規雇用の女性たちがいる。しかも、実家が太いわけでもなく、若くてルックスの良い女性とも限らないのだ。

実は、そんな彼女たちが共通して持っている、ある「振る舞い」がある。本稿では、婚活市場の常識を破る彼女たちの共通点を紹介する。

良縁をつかむ女性の共通点

34歳、女性、保育園非常勤。

ルックスやスタイルは中の中。特段おしゃれでもなく、保育士の資格はあるものの、正規雇用ではなく時給で働く彼女が、年収1200万円の5歳年上のハイスペ男性のハートを射止めた。この理由は、彼女の持つ圧倒的な居心地の良さにある。

保育園
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彼女はいつもほがらかで、「常に機嫌が良く」、とにかく「聞き上手」。カウンセラーの私に対しても、常に朗らかで、会っているとこちらの気分が良くなるのだ。

彼女は会話の黄金セオリーである「さ・し・す・せ・そ」を会話の中で多用する。

「さ」さすがですね!
「し」知らなかったです。
「す」すごいですね。
「せ」センス良いですね。
「そ」そうなんですか!

このキラーワードを、実にうまく操る女性なのだ。相手を気持ちよくさせたうえで、上手に質問を投げかける。例えば、私との会話でも「婚活の場面では、こういうことが好印象になりますよ」というと、「そうなんですね! 知らなかったです。こんな場合にはどうしたら良いのですか?」と具体的に質問が返ってくる。

私が答えると「さすがですね。大屋さんに聞けば何でも安心ですね」とこんな調子で笑顔で言う。

そして会うたびに、いつだってにこやかで、不機嫌な顔など見たことがない。彼女は「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」とは無縁の女性なのだ。

ハイスペ男性を射止めるための「二つの武器」

この彼女の「メンタルが安定している機嫌の良さ」と、「聞き上手」さは、天性のものなのか、後天的に手に入れたものかは不明だが、私の結婚相談所に入会して、すぐにお申し込みいただいたある金融機関に勤務するハイスペック男性とお見合い。その方から瞬く間にプロポーズを受けた。

入会時に、決まったお見合いは5件。そのすべての男性から交際希望が届いたのも、彼女の相手を気持ちよくさせる「機嫌のよさ」と「聞き上手」効果に他ならない。

仕事柄、小さい子供たちを相手に、どんなときもにこやかに「褒める」ことが日常の彼女。彼女には、お見合い相手の男性たちにも、子供と接するように上手に褒めちぎり、気分良くさせたのであろう。

非正規雇用だろうが、高学歴でなかろうが、ハイスペ男性に選ばれる女性の振る舞いは、なんといっても「メンタルの安定」と「聞き上手」にほかならない。この二つの武器は、年収や学歴や育ちの良し悪しに関係なく、誰もが持てる婚活市場で人気になる最強兵器だ。

「魔法の言葉」を使う「聞き上手」

デキる男性は、仕事で頑張って、ストレスと戦いながら日々過ごす。

そんな男性が選びたくなるのは、いつも機嫌が良く、その日あった出来事を朗らかに聞いて癒やしてくれる女性だ。聞いてもいないのに、否定されたり、討論することなど求めない。その時々の気分で、機嫌が良かったり、不機嫌だったりするパートナーの顔色をうかがう暮らしなどしたくない。

いつだって自分を認めてくれ、味方でいてくれて、朗らかな態度で接してくれる居心地の良い女性がいる家に帰りたいのだ。今巷で話題の、「フキハラ=不機嫌ハラスメント」の可能性のある女性は、高年収男性は絶対に選ばない。

愛嬌があり、精神的な成熟を表すメンタルが安定した「常にゴキゲン」な女性で、日々の出来事を「さ・し・す・せ・そ」を散りばめながら「魔法の言葉」を使う「聞き上手」な魔術師が、ハイスペ男性が結婚したい相手なのである。

リビングルームで話をするカップル
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一方で、いくらルックスが優れていても、正社員で「聞き上手」であったとしても、「選ばれない女性」もいる。聞き上手といっても、単に相手の話を褒め続ければいいわけでもない。

ハイスペ男性は、いつか自分の子供を産むかもしれない女性には、頭の良さを当然求める。これは夫婦として暮らしていくうえで必要な力だと考えている部分もあるが、「頭の良い子」を望んでいるからという強い動機も働いている。「すごいですね」「さすがですね」を連発するだけでは、かしこい女性だとは思ってもらえないだろう。

「未来を感じるひと言」を付け足すべき

相手に嫌われたくない、良く思われたい気持ちが強いばかりに、自分の気持ちや考えを会話の中に一切入れず、笑顔などの表情の変化もなく、ひたすら肯定だけを繰り返す。これでは、ペラペラの薄べったい会話しかできない。これでは、好印象は与えられない。

「そうなんですね」ばかりを繰り返し、相手に合わすだけのつまらない女性は、ただの感じが良い人であって、「結婚したい人」にはなれない。婚活では、「聞く力」を生かして、そのご縁を前進させていかなくてはならない。

筆者がよく会員にアドバイスしているのは、「さ・し・す・せ・そ」に相手に未来を感じさせるひと言を付け足すというものだ。

「さすがですね! よかったら次はご一緒させてください!」 
「知らなかったです! 楽しそうなのでぜひ教えてください!」
「素敵ですね! その話、もっと聞かせてください!」
「センスいいですね! 今度一緒に買い物に行きたいです!」
「そうなんですね! 私は未経験ですが、いつか一緒にやってみたいです!」

など、笑顔とともに共感を表し、未来につながる「聞き上手」でなくてはならないのである。

「メンタルの安定」「聞き上手」はすごい武器

その日の気分で「機嫌が変わる」人は、敬遠される。相手が話している時に話をさえぎったり、自分の話題にすり替えるひとは、聞き上手どころか嫌われてしまう。相手の顔色をうかがいながらしか、会話や物事を進めることができない相手は、仕事の場面でも、婚活市場でもうまくいかない。

一方で、「メンタルが安定」した「聞き上手」な人は、すべてがうまくいく人。そして、「聞き上手」な人は、敵を作ることもないし、誰からも好かれる。以前から言われていることではあるが、令和の婚活においても「さ・し・す・せ・そ」は非常に効果的な言葉なのだ。

男女問わず誰だって、周りから認められたい、自分が頑張ったことを褒められたい気持ちを持っている。仕事の場面で、上司や同僚や部下に対して、「聞き上手」な人は、周りから好かれ、どんどん出世していく。

婚活は、「相手の良いところを見つけられる人」こそ、短期間で幸せをつかむ。「メンタルが安定した」「聞き上手」な人は、冷静に相手の良いところを見ているからこそ、否定より先に、肯定が生まれる。自分にはないな、かなわないな、と思うところは、言葉にして相手に伝えていくことができる。

夜の繁華街を手をつないで歩くカップル
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「高学歴・高収入」は幸せな結婚の条件ではない

結婚生活が長く続く夫婦は、互いに「自分には絶対にかなわない尊敬できる力を持っている」と認め合っていることが多い。高学歴で高収入のハイスペ男性に学歴や収入で尊敬してもらうことは難しいかもしれないが、それ以外の部分で尊敬されることを目指すのも一つの有効なアプローチだ。

大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)
大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)

だから、婚活市場の常識からすればどんなに低スペックでも、「相手の良いところを見つけられる人」はスムーズに好条件な相手と結ばれる。非正規雇用だからといって、それだけで地雷とは限らない。むしろ、どれだけ高学歴・高収入の女性であっても、「相手の悪いところばかりを見つけてしまう人」とは幸せな結婚生活を送ることは難しいだろう。

幸せな結婚を手に入れることができるのは、高学歴や高収入の人とは限らないのだ。

「いつもゴキゲン」で「聞き上手」という、シンプルがゆえに実践することが難しい「二つの武器」を持っている人が、学歴や年収にかかわらず幸せな結婚生活を築いていけるのである。