離婚すべきかどうか決められない
「夫とは離婚したほうがいいのか、それとも、思いとどまったほうがいいのか……」
夫婦関係に悩んでいる方にとって、最も重要かつ難しい悩みとは、「結局、自分は離婚すべきなのか、そうでないのか、決められない」ではないでしょうか。
これは簡単に答えが出る問題ではありません。その夫婦が置かれた状況や、抱えている問題の内容、経済的条件などによって変わってきます。きっぱり別れて再出発したほうがいいケースもありますし、夫婦関係の再構築に取り組んだほうがいいケースもあります。
まず、子どもの有無は、離婚すべきかどうかの判断に大きく影響する要素です。お子さんがまだ幼い場合、両親の離婚は心理的な悪影響を及ぼす可能性が高いですし、シングルでの子育ては経済的にも体力的にも負担が大きく、離婚を思いとどまる理由になり得ます。
また、経済的な面も重要です。「夫のモラハラに耐えられない、離婚したい」と思っていても、妻が専業主婦であるとか、経済力の問題で離婚を思いとどまったほうがいいケースもあります。
妻からの熟年離婚が激増しているワケ
ただ近年では女性の社会進出が進み、経済的に自立している女性が急速に増えていますので、経済的問題を理由に離婚をためらう女性は減りつつあると感じます。
昨今「熟年離婚」がひそかにブームとなっています。いま離婚総数の2割以上が「同居20年以上」のいわゆる熟年離婚ですが、中でも「妻からの離婚申し立て」が増えており、「夫からの離婚申し立て」の約2倍にのぼっているといいます。
妻側が積極的に離婚を検討しているのは、女性の社会進出が進み、経済的な理由で離婚をためらわなくなってきたことが大きいと思います。
離婚すべきかどうかは最終的には人それぞれではありますが、離婚カウンセラーとして、「どう見ても離婚したほうがいい」と思うようなケースもあるのが現実です。
夫婦問題カウンセラー、離婚カウンセラーとして30年以上、計4万件以上の相談を受けた経験をもとに、積極的に離婚を検討すべき「夫の問題行動」をピックアップしてみましょう。
わかりやすい「暴力夫」は減っているが…
①暴力
最初にあげたいのが「暴力」です。
「口げんかがエスカレートすると、つい手が出てしまう」
「お酒に酔うと粗暴になり、妻に暴力を振るう」
ひと昔前の離婚相談といえば、こういった「暴力夫」の相談が大半を占めていました。同居する相手から日常的に暴力を振るわれてはたまりません。夫婦であっても暴力は犯罪です。警察への通報・相談が必要になるケースもあります。
私の経験上、こうした「暴力夫」の場合、関係を改善できる余地はほとんどないと思います。身を守るために積極的に離婚を検討することをおすすめしています。
夫から暴力に悩んでいる場合、真っ先にやるべきなのは、とにかく暴力を受けない環境に避難することです。実家に帰る、友人の家に行く、あるいはDVから逃れるためのシェルターを活用するのもいいと思います。
近年はわかりやすい暴力夫はだんだん減ってきていて、代わりに言葉や態度による嫌がらせ、すなわち「モラハラ」のケースが増えています。
長年モラハラを受けたことでうつ病になるなど、心身に深刻なダメージを受けてしまうこともあるため、離婚をおすすめするケースがあります。
ただ、モラハラの場合、実は妻のさりげない一言が、夫のモラハラのスイッチを入れているケースもあります。私の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか』(講談社+α新書)でも書いたように妻側が無自覚に挑発していることがあるのです。モラハラへの対処法や、相手を刺激しない上手な伝え方を学ぶことで関係が改善する可能性があります。
②借金
離婚を検討すべき夫の問題行動の2番目は、「借金」です。
事業をやっていて資金繰りが必要とか、住宅ローンを払っているなど、計画的な借金であれば問題ありませんが、浪費がひどくて身の丈以上の借金を作ってしまうとか、夫に「借金癖」がある場合は離婚をおすすめしています。
こういう借金癖の夫によくあるケースとして、妻のほうはしっかり貯金をしていたります。
つまり、夫のほうでは「いざとなれば妻に払ってもらおう」という魂胆があるわけです。だからお金がないのに借金を繰り返しているのです。こういう甘えた夫と結婚生活を続けていると、妻のほうが稼いでいても、いずれは経済的に苦しくなってしまいます。離婚を検討すべきでしょう。
セックスレスは「離婚の原因」になる
③浮気
3つ目の問題行動は「浮気」です。
結婚とは両者の愛情のもとに成立している関係ですので、「不貞行為」が離婚の理由になるのは当然です。ただ中には「たった一度の浮気なら許そう」と水に流して結婚生活を続けている夫婦もいると思います。
確かに、一度は浮気したものの、反省して素行を改め関係改善に取り組む夫もいます。妻のほうもそれで納得できるなら、強いて離婚しなくてもいいと思います。
しかし、もはや「浮気癖」としか言いようがないほど、何度も何度も浮気を繰り返しながら一向に反省しない夫も中にはいます。
「浮気夫」の問題点として、妻の自尊心を下げ、精神的にダメージを与えるという点があります。妻を捨ててよそに愛人を作るだけでも妻の自己肯定感は下がりますが、夫に対して浮気を批判するようなことを言うと、「逆ギレ」して急に暴言を投げつけてきたりもするので、さらに厄介です。
私の経験上、こういう夫が心を入れ替えてくれる可能性はほとんどないと思いますので、さっさと離婚を決断したほうがいいかもしれません。
④セックスレス
4つ目の問題行動は「セックスレス」です。
セックスレスは離婚の原因になり得ます。最高裁判所が出している「司法統計年報 家事編」(令和6年版)によると、「性的不調和」は妻側の離婚理由では2862件で第5位、夫側の離婚理由では第4位となっています。
最近ではマッチングアプリや婚活パーティーといった出会いサービスがたくさんあります。不満を抱えている場合、別の相手を探すことも可能になっていますので、無理に結婚生活を維持する必要は減ってきています。
セックスレスで苦しい、不満があるというケースで、改善の見込みが薄い場合は、私のほうからも離婚をおすすめすることがあります。
夫婦関係に「必須の条件」とは
⑤妻のことを大事にしてくれない
そして最後かつ、最も重要な問題点は「妻のことを大事にしてくれない」です。
今は誰もが経済的に自立し、自分の待遇向上のために日夜努力しなければならない時代です。そんなサバイバル時代だからこそ、いざという時に助けてくれる仲間やパートナーの存在が重要だったりします。
信頼関係やチームワークの基本は思いやり、相手のことを大切にする心です。自分のことを大切にしてくれない人とはチームになれません。まして夫婦になるなんてとんでもない。今すぐ離婚すべきだと思います。
以上、離婚すべき夫の問題行動をご説明しましたが、私は離婚カウンセラーとして頭から離婚をおすすめすることはできるだけ避けています。誰だって「仲のいい夫婦でいつづける」ほうがいいに決まっています。
ただ、人間関係において理想論ばかり語るのは無理です。夫婦関係のトラブルがにっちもさっちもいかなくなった時、問題点を切り分けて冷静に考えた上で、離婚したほうが得なら、離婚を決断すべきだと思います。
ご説明した5点を頭にいれた上で、「これからの人生のパートナーとして、うちの夫は大丈夫なのか」よく考えてみていただけたらと思います。
