■編集部より指令

働きながら結婚して、子どもを産み、育てることが当たり前になりつつある。

一方、バリバリ働いてキャリアを築いてきた私。

ライフスタイルの価値観がちがう後輩世代とうまくやっていくには?

■大宮冬洋さんの回答

アラフォー独女。「イタイ先輩」にならないためには
http://president.jp/articles/-/13239

■佐藤留美さんの回答

後輩からの心無い言葉

確かによく聞く話ですよね。私は今40歳ですが、独身の同級生は心無い会社の既婚後輩から、

「○○さんって、一度も結婚したことないんですか?」

なんて平気で聞かれたとか、時短勤務で4時か5時に帰ってしまう子育て中の後輩に、

「○○さんは、心置きなく仕事ができていいですよね」

なんて言われたなんて話をよく聞きます。

彼女は、その時短の後輩の仕事のフォローをしていたために、より深く傷ついたんだとか。

この手の、ライフスタイルと価値観、歩んできた人生の違いからくるズレや擦れ違い、齟齬を解決する方法は2つしかないと思うんです。

1つは、自分と違う「組」に傷つけられるのを徹底的に避けること。

たとえば、会社の既婚や子持ち女子とはフェイスブックなどのSNSで決してつながらない。

そうすれば、ハワイに子連れバカンス中の写真をこれみよがしに見せつけられて落ち込むこともありません。

あるいは、どの会社でもありがちな、「花火を見る会」とかスポーツイベントなど、子連れがギッシリきそうなイベントは、風邪をひいただ何だウソをついてでも徹底的に欠席する。

そして、自分と同じ独身女性や、自分に近い価値観の人ばかりとツルむ。そうすれば心の平安は保たれるのではないでしょうか。

ただし、いささか閉鎖的、排他的な人格になりそうな気もしますよね。

「別格扱い」の境地までいこう

そこで、もう一つの手が、「超然キャラ」を作り上げること。

「1回も結婚したことないんですか?」と聞かれても、まるで仏像のようなアルカイックを浮かべながら、「そうなのよ~。誰かいい人いない?」と受け流す。

会社の子連れイベントでも、「可愛いわね~」と人の子どもの頭を撫でながら褒めたおす。

自分が劣等感を感じずにはいられないどんな状況に遭遇しても、「だから?」とばかりに超然としてみせるのです。

次第に、「あの人は別格だから」というリスペクト系キャラが出来上がっていくことは間違いありません。

さらに、理想を言うなら、子育て中で残業できずに困っている後輩には、「自分がやっとくから、帰んな帰んな」なんて言い、協力の手を差し伸べる。

ここまでやれば、「あの人、なんで独身なんだろう」なんて陰口をたたかれることは一切なくなるでしょう。

40歳近くになると、誰でも体力も記憶力も女の魅力も衰えます。

では、何で40女は優位性に立つかといえば、それはいかなる状況に置かれても、人生経験が豊富なだけに、泰然自若としていられることではないでしょうか?

結局、40歳近くなったら、どれだけ大人の余裕を周囲に見せつけられるか――その勝負なのだと思います。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。