アベノミクスが発動されて以降、明らかに家計相談の内容が変わってきている。

新聞やテレビの多くはアベノミクスによって株価が上昇し円高が是正されたと持ち上げているが、実は、家計の置かれた状況の厳しさは変わっていない。社会保険料が上昇し、高所得層の児童手当(旧子ども手当)は減額され、年少扶養控除まで廃止。まさに子育て世代を狙い打ちにするような改変が次々に実行に移されているからである。

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アベノミクスで、家計は負担増に……。円安でガソリンや電気・ガス料金、小麦粉など輸入に頼る製品や燃料は値上げとなり、海外旅行も割高に。また、社会保険料や税制見直しなどの負担も家計に重くのしかかる。

もしも来年、予定通り消費税が増税されれば、これまで年に数万円のペースで増えてきた家計負担が、一挙に10万円以上も増えることになってしまう。

こうした家計負担の増加によってどのような相談が増えてきたかといえば、ひとつは子供を私立に行かせても大丈夫かという相談。もうひとつは、住宅ローンの負担をしてまで住宅を購入すべきかという相談である。

いったん私立に入学して途中で公立に転校するのは子供にとって辛いことだし、親の経済的な理由で住み慣れた家を離れるのも悲しいことだ。世の中がアベノミクスで浮かれている裏で、こうした辛い決断を迫られる家庭が今後増えていく可能性が高いのである。

では、こうした子育て世代にとって冷たい時代を生き抜くためには、いったいどのような心構えが必要なのだろうか。

正直に言って、私の家計に対する考え方と提供できるソリューションは、今までもこれからも大きく変わることはない。しっかりライフプランを立て、ムダな保険をやめ、住宅ローンを見直し、スマホや携帯電話の料金を削減し、いよいよ苦しくなったら車を手放す。つまり、食費などのやりくり費から手をつけるのではなく、固定費の削減を優先して行うべきだというのが、私の変わらない主張だ。

そしてこれら家計の見直しは、先手を打って断行すべきなのだ。たとえば住宅ローンの支払いが厳しくなった場合でも、破綻寸前になってからでは打つ手が限られるし、売却するにしても売る側に余裕がないと足元を見られる。万一、競売などという事態になれば、それこそ二束三文で買いたたかれてしまう。

しかし、お金に余裕がある段階なら、取りうる選択の幅は格段に広くなる。1度手に入れたものを手放すのは辛いことだが、決断は早ければ早いに越したことはないのだ。先手先手で家計の見直しを行い、ポジティブにリスク回避のための方策を打っていく。これが、アベノミクス以降の家計にとって、最も大切な姿勢なのである。