職員の満足度ランキングは入学難易度とは一致しない

ブラック企業的……とまでは言いませんが、教職員が過度のプレッシャーにさらされる組織もあります。さまざまな企業で働く社員が自分の職場について投稿する口コミサイトで、「学校法人」と検索してみてください。満足度上位として名が挙がる大学は確かに素晴らしい労働環境なのでしょう。しかし下位の検索結果には散々な口コミが書かれています。そしてここでの満足度ランキングも、入学難易度とは必ずしも一致しません。

ある学校法人が主催する記念式典に、私が出席したときのこと。休憩時間の度に教職員がロビーのそこかしこで「A大学のBです。Cさんの志望校はその後、お決まりになったでしょうか。もしまだ検討の余地があるなら、ぜひご本人や保護者の方に私から、本学の教育について説明をさせてください」と電話していました。塾や予備校ならこうした営業アプローチも珍しくはありませんが、大学で、それも記念式典当日にもかかわらず教員まで総動員してというケースは初めて目にしました。

こうした業務のあり方をどう評価するかは人によるでしょう。大学らしくないと感じる方もいれば、経営意識があって良い、教職員が危機意識を持つのは当然だと感じる方もいるかもしれません。さすがにここまでの例は珍しいと思いますが、いずれにせよさまざまな組織があることは理解しておいたほうが良いでしょう。

教室
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国立大学職員の特殊な異動・昇進事情

前回の記事でご紹介した、国立大に勤めるAさんのコメントに「異動官職」という言葉が登場しました。国立大で働く職員のキャリアパスは大きく3種類に分類でき、それぞれで事情が異なりますので簡単にご説明します。

異動官職(文部科学省ルート):国立大学法人で採用された後、20代後半頃に文科省へ転任。本省の係長級となった後、40歳前後で大学等の課長級になるキャリアパス。その後は2~3年ごとに管理職としてさまざまな大学や独立行政法人、省庁等に異動。キャリアのゴールは部長級、もしくは事務局長級。理事になることも。

異動官職(他大学ルート):「ブロック異動」などと呼ばれる。国立大学法人で採用され、係長級や課長補佐級になった後、40~50歳ほどで他大学等に課長級として異動するキャリアパス。その後は2~3年ごとに管理職としてさまざまな大学や独立行政法人等に異動。最終的に、最初に採用された大学へ戻ることも。キャリアのゴールは部長級。

プロパー職員:採用された国立大学、あるいはその近隣大学でキャリアを重ね、定年まで働くキャリアパス。国立大学職員の大半が該当する。多くの方が課長級、もしくは課長補佐級で定年を迎えるが、部長級まで昇進するケースも年々増えている。

※名称や解説については、複数の記事や論文を元に記述しています。正式な名称ではありませんので、ご注意ください。