軸をずらせていないと何も変わらない

転職する多くの人がやりがちな「同業界同職種」への転職では、ほとんど変化がありません。今までと同じ仕事で、ただ周りの人間関係と職場を変えただけの転職で終わると、年収もたいして変わりません。環境が大きく変わらないので当然のことですよね。

例)「東京のタクシー会社でドライバーをしていたのですが、今は大阪のタクシー会社でドライバーをしています」

業界も変えず、職種も変えない。どちらも経験しているので転職しやすいですし、その後の適応と活躍もたやすいでしょう。ただ、メリットはそれだけです。今後、再び転職を考えても今までの業界や職種に縛られ続けます。

もし経済状況の変化で業界が衰退し、技術革新で職種自体がなくなってしまったとしたら。例にあげたタクシー会社とドライバー、どちらも当てはまりそうで恐ろしいですよね。自動運転の進展はドライバーという職種を駆逐し、タクシー業界という概念すら消し去りかねません。たとえば昔、馬車が自動車に置き換わるまでの期間は20年足らずでした。

業界と職種、どちらでもいいので少しでも軸をずらしておくか、せめて役職だけでも上げないと、今後の変化に対応できなくなっていきます。

ビジネスマンと変化のない給与グラフを考えて
写真=iStock.com/takasuu
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誰もやらないからこそ年収はアップする

そもそも未経験で他業界や他職種を目指す人自体、いまだ少数です。転職する多くの人が「同業界同職種」に限ってしまい、選択の幅を狭め、若干の年収アップと待遇の改善、そして変わらない仕事を選びます。これでは年収は100万円もアップしませんし、成長もしません。誰もやらないからこそ、「軸ずらし転職」で年収がアップするのです。