実行の第一歩は今日、もしくは72時間以内に必ず

できれば「今日」、すなわち当日に着手するのがベストです。

ただ、ミーティングにも一定の時間をとられているので、他のスケジュールが詰まっていて“余白”がないことも多いでしょう。

経験上、4、5日後に着手となるとミーティングの細かな内容を明らかに忘れてしまう人が多いので、試行錯誤を繰り返し、「今から72時間」が実行の第一歩としています。

もちろん、優先順位は、①今日→②明日→③3日後の順です。遅くなればなるほど思い出す作業が必要となり、記憶との戦いになります。

そして、後になればなるほど、「今までの予想を超えた新たな仕事」などが舞い降りてくる確率が高まるので要注意です。

成果を出したいとき、根拠のない楽観視をするのはやめましょう。

単に「先延ばし」するのではなく、「直近の日程を細やかに調整」しながら、大事な仕事をスケジューリングしていくことが大切です。

スケジュール
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※写真はイメージです

確実に実行するため、未来の自分にアポ取りする方法

「72時間以内の最初の一歩」を意識させるだけでなく、先のスケジュールも具体的に決めます。

例えば、

第一歩はいつ? →「○月○日にYさんと△△を実施」
その次のステップは? →「□□を○月○日に個人で実施」

などです。

矢本治『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』(日本実業出版社)
矢本治『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』(日本実業出版社)

さらに、この内容をスケジュール帳にすぐに書き込みます。

これを僕は「未来の自分へのアポイントメント」と言っています。

多くの組織では、「時間が空いたら」「すきま時間を見つけて」「作業の合間に」と言って、こうした内容をきちんと決めずに解散してしまいます。

日常業務で忙しいあなたに「すきま時間」は永遠にやってきません。だから、先に「予定を決める」「手帳に記入してブロックする」のです。

未来の自分に“アポ取り”することで、決めたことへの実行力は格段にアップします。

矢本 治(やもと・おさむ)
ミーティングコンサルタント

愛媛県でホテルマンとして勤務後、2004年、関東のブライダル・レストラン運営会社に営業部長として転職。設備投資や人員の入れ替え、安売りをせず、ミーティングのやり方を工夫して売上を3年間で3倍の9億円以上に。取締役での退任時には20億円近くまでアップ。2010年、チームサポートプロを設立。日本初のミーティングコンサルタントとして多種多様な業種の企業をサポート。著書に『「15分ミーティング」のすごい効果』(日本実業出版社)。