「すごい成果」だが転職のプラスにならない場合も

NG③ 相手の課題やニーズにそぐわない

どんなに大きな成果を上げ、それによって高度なスキルやノウハウを身に付けていたとしても、応募先企業がそれを求めていなければ、価値として評価されません。

例えば事業企画職であれば、企業側が「1→10」への事業拡大スキルを求めているのに「0→1」の立ち上げ経験ばかりアピールしても響かないでしょう。広報職であれば、「これからSNSを活用していきたい」と考えている企業に対し、「大手メディアとのリレーション」をアピールしてもミスマッチとなってしまいます。

求人情報やリリースを読み込むなど、応募先企業の課題やニーズをつかんだ上で、自身のキャリアの中からそれにマッチする経験・スキルをアピールしてください。調べてもわからなければ、転職エージェントに聞いてみると、採用背景や求める人材像などの情報を得られる可能性があります。

NG④ 今では通用しない、過去の実績をアピール

どんなに優れた実績を上げていたとしても、それが古い過去のものであると評価を得られない可能性があります。時代の変化、デジタル技術の進化などに伴い、仕事の手法や進め方は大きく変わっています。過去に成果を上げた手法も、今は陳腐化しており、通用しないかもしれません。

それを堂々と語ってしまうと、むしろ評価ダウンにつながることもあります。「最新の手法にアップデートできていないのか」と……。

これまでもお伝えしてきたとおり、自己アピールで重要なのは「成功体験を再現し、相手企業の課題を解決できるか」という観点です。古い実績であっても、その中から生かせるノウハウやポータブルスキル(業種・職種問わず活用できるスキル)を抽出し、それを伝えるようにしましょう。

加えて、自身の専門分野に関しては最新情報やトレンドをチェックし、新しい手法を学び、キャッチアップしておくことをお勧めします。

NG⑤ 実績はすごいが「やり方が強引」「周囲と軋轢」の懸念が

近年の中途採用市場では、「新規事業企画・推進」「業務改善」「組織風土変革」などを担う人材のニーズが高まっています。

そのようなポジションの求人では、「企画・推進」「改善」「変革」などの経験が求められますが、その実績をアピールする中で、落とし穴にはまることがあります。面接担当者から「達成したことは評価できるが、やり方が強引だったのでは? 周囲との軋轢を生んでいたのでは?」などと疑念を抱かれることがあるのです。

企業側は、改善や変革を図ろうとする一方で、協調性も重視します。関わるステークホルダーに配慮し、円滑なコミュニケーションをとり、うまく周囲を巻き込んでいくスキルを求めています。

新規事業開発や変革を担うポジションの求人に応募する場合には、関わる人々とどのように関係を築き、円滑に協働するためにどのような心がけや工夫をもって取り組んだかを語れるようにしておくといいでしょう。

ミスに気が付いて頭を抱えるビジネスウーマン
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