物が入り混じり散らかり放題のLDK

(解決例)子供が生まれてから物が増え、LDKが片付きません

図表3はリビング・ダイニング部分が約7畳、キッチン部分が約5畳の合計12畳であるマンションです。ご夫婦と赤ちゃん1人の3人で暮らしていらっしゃいます。

リビング・ダイニングとキッチンの間に壁やカウンターなどの仕切りがないワンルームタイプの間取りのため、哺乳瓶やお皿などキッチンで使う物と、おもちゃ・雑貨などリビングで使う物の境界線がなく、物が入り交じり、乱れていました。「子供が生まれてから物が増え、LDKが散らかり放題で片付かない」とのお悩みから、収納家具の見直しも含めた、模様替えをご希望されていました。

キッチン・リビング・ダイニングは、キッチンワゴンやカラーボックスなどを壁際に置くことで、収納を確保していました。しかし、どこからどこまでがキッチンで、どこからがリビング・ダイニングという明確な空間分けはされていませんでした。そこで、収納家具を配置し、その収納家具でキッチンとリビング・ダイニングの空間を分けて、さらに物を収納できるようにすることにしました。具体的には、キッチンカウンター風に市販のリビング収納家具を置き、キッチンとリビング・ダイニングを分けました。

圧迫感を防ぎながら収納量を確保

まず、キッチンは、図表3のように収納が少ない状態でした。そのため、背が高く収納量のあるスチール棚を、図表4のように、冷蔵庫の高さに合わせて壁際に、また背の低いカウンター収納を部屋の中心にレイアウトすることで、圧迫感を防ぎながら収納量を確保しました。

カウンター収納や背の高い収納家具は、それぞれキッチン側・リビング・ダイニング側から、物の出し入れができるように、並べ方を工夫しました。このようにリビング収納家具を置くだけで、簡単にキッチンとリビング・ダイニングが空間分けできます。空間分けすることで、物が入り交じることが少なくなります。

そして、調理器具・電化製品などは背の高いスチール棚に、雑誌や文具などのリビング雑貨はリビング収納に、食器や食材などはカウンター収納に収納しました。物の収納場所を決めることで、部屋がスッキリ片付けやすい空間に変わりました(図表5参照)。

部屋にリビング収納などを造ることで、簡単に空間分けができ、また片付けやすい部屋にすることができます。

しかま のりこ
「COLLINO一級建築士事務所」主宰、一級建築士

300軒以上のリビング・寝室・子ども部屋の模様替えを行い、模様替えのスペシャリストとしてTVや雑誌でも活躍。近著に『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)がある。