同社と前後して、光学機器メーカー・HOYAの鈴木洋最高経営責任者(CEO)が自ら仕事の拠点をシンガポールに移し、日産自動車もインフィニティ事業部を丸ごと香港に移すなど、本社機能の一部海外移転を発表する企業がこの1、2年で相次いでいる。
本社機能まで海外に本格移転するとなれば、国内の産業空洞化に拍車をかけるのではないかという懸念や、人員削減につながるとも受け取られかねない。
しかし、こうした動きはますます加速していきそうな状況だ。円高という向かい風の中、日本企業独特のビジネススタイルが「ガラパゴス化」の引き金となり、韓国勢や中国勢に追い上げられているからだ。グローバル人材を採用し、「地産地消」の広い視野に立って海外で勝負していかなければ、もはや国際競争には打ち勝てないとの危機感も広がっている。
そんな矢先のパナソニックのセンセーショナルな発表だった。その狙いは、一体どこにあるのだろうか。
※すべて雑誌掲載当時
(永井 浩=撮影)