2012年1月16日(月)

どんな業界、職種でも役に立つ基礎的な資質とは何か

J・ウェルチが指南:大変な時代の歩き方【6】

PRESIDENT 2010年1月18日号

著者
ジャック・ウェルチ 

1935年、米国マサチューセッツ州生まれ。マサチューセッツ大学卒業後、イリノイ大学で博士号を取得、ゼネラル・エレクトリック社入社。副社長、上席副社長を経て、副会長に就任後、最年少の会長兼最高経営責任者となる。「フォーチュン」誌の「20世紀最高の経営者」に選ばれた。

執筆記事一覧

ジャック・ウェルチ 翻訳=ディプロマット 写真=Getty Images
Jack Welch ジャック・ウェルチ●1935年、米国マサチューセッツ州生まれ。マサチューセッツ大学卒業後、イリノイ大学で博士号を取得、ゼネラル・エレクトリック社入社。副社長、上席副社長を経て、副会長に就任後、最年少の会長兼最高経営責任者となる。「フォーチュン」誌の「20世紀最高の経営者」に選ばれた。(写真=Getty Images)

とにかく本当の自分でいてください。自分を飾らず、本気で喧嘩をし、懸命に働き、心から笑い、人を気遣い、ありのままの姿をさらけ出すのです。

企業の上層部には、すべてを知っているようで何を考えているのかわからない、飛びぬけて仕事のできる連中が存在するものです。しかし、そのような幹部は、めったにトップの座につくことはできません。よそよそしすぎて人を動かすことができないからです。

本当の自分でいることが唯一の資質だと言っているのではありませんよ。グローバル市場で成功するためには、機知に富み、好奇心旺盛で、高い協働能力を備えていなければなりません。決断を下す勇気と粘り強さも必要ですし、自信と謙虚さを両方持ち合わせているべきです。

さらに必要な2つの資質を加えましょう。1つは重い責務に耐えるしなやかさです。ゲームに本当に参加している人は誰でもどこかで落ち込みますから、これは必須です。けれど必死になりすぎて、あまりに人間的なミスをおかしてはいけません。そのミスとは、「成功=ミスを最小限に抑えること」だと考えることです。本当の成功者は、失敗から学んで戦略を立て直し、そこから新たな活力と確信を持って再出発するものなのですから。

もう1つは、「予想する力」です。社会に出た時点で、こういった「第六感」を備えている人は、事実上一人もいないでしょう。競争相手が何を考え、顧客がどんな製品やサービスを求めるようになるかを察知するには何年も、ときには何十年もかかります。けれどこの能力を早く育てれば育てるほど、遠くまで進むことができます。

どこにいても、本当の自分でいることをあなたの核ととらえてください。感情的だとか、会議でむきになりすぎると上司に小言を言われる恐れがありますが、それ以外に必要な能力とスキルを備えてさえいれば、あなたの人間らしさはやがて組織にとって最大の魅力になるでしょう。あなたがどんな人間で、どのような人を引き寄せ、他の人にどのようなパフォーマンスを期待するかを、部下も上司も理解するようになります。あなたは多くの人とつながり、彼らに活力を吹き込み、リーダーとして彼らを率いるのです。

成功には幅広いスキルが必要で、そのほとんどは、獲得し、開発し、磨く必要があるものです。しかし、最も大切なものは、すでにあなたの中にあり、外に出るのを待ち構えているのです。

どうかそれを邪魔しないでくださいね。

PickUp