職場の人間関係問題が絶えない理由

職場の人間関係で悩む人は多くいます。しかし、識学の考え方の中に「人間関係」という概念はありません。上司は上司の役割をし、部下は部下の役割をする。ルールに則って規則正しく動く。ただ、それだけです。

安藤広大『リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』(ダイヤモンド社)
安藤広大『リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』(ダイヤモンド社)

そこに余計な感情は発生しません。だから、精神的に疲れることはないのです。感情で動いている組織では、リーダーが部下に好かれようとします。逆に部下もリーダーに好かれようとします。

すると、「人間関係」の問題が出てくるので、疲れてしまうのです。

「上司が好きだから言うことを聞く」

そんな状況は、一見、聞こえがいいように思えます。しかし、ひっくり返すと、「上司が好きじゃなくなったから言うことは聞かない」ということを許すことになってしまいます。

好き嫌いが判断の基準になってはいけない

好き嫌いが、上司の指示を聞くか聞かないかのバロメーターになってしまう。そんな状況は絶対につくってはいけません。

正しくルールを言語化して運営されている組織では、業務上で感情的になることはありません。その結果、人間関係の悩みもなくなります。

「ガチガチにルールだらけの会社はどうなのでしょうか?」

そう聞かれることも多いです。私はそれでも、ルールがないよりはずっとマシだと言っています。大事なのは、ルールがないことによるストレスから部下たちを自由にすることなのです。