自信のなさが笑顔に出てしまう

女性もビジネスシーンで大いに活躍する時代です。職場でにこやかにしすぎると、魅力的ではあっても、何となく頼りない印象を持たれてしまうリスクがあります。それが仕事に役に立つのならいいのですが、もしそうでないのなら、愛想を振りまくのはシーンを選んだほうがいいでしょう。

メガネをかけると知的に見えますが、さらに笑顔を減らしてみると、もっと知的に見えるでしょう。「仕事ができそう」「仕事が早そう」「計算能力が高そう」「教養がありそう」というイメージを周囲の人に与えたいのであれば、簡単な話で、あまり笑わないようにすればいいのです。そうすれば、だれでも知的な印象をアップさせることができます。

私たちは、自分に自信がなくて、不安なときにも笑顔を見せます。そういう笑顔は相手にもバレてしまうので、「この人は、この仕事をやり遂げる自信がないのかな?」と思われてしまうかもしれません。逆に、まったく表情を動かさずにポーカーフェイスでいたほうが、自信があるように見えて、相手も仕事を安心してまかせてくれる、ということもあるでしょう。場面ごとに、笑顔を賢くコントロールして自分の印象を管理していくことが大切なのです。

<参考文献>
・Halberstadt, A. G., & Saitta, M. B. 1987 Gender, nonverbal behavior, and perceived dominance: A test of the theory. Journal of Personality and Social Psychology ,53, 257-272.
・Krys, K. et al. 2016 Be careful where you smile: Culture shapes judgments of intelligence and honesty of smiling individuals. Journal of Nonverbal Behavior ,40, 101-116.

内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長

慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『いちいち気にしない心が手に入る本:何があっても「受け流せる」心理学』(三笠書房)、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』(総合法令出版)、『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)、『羨んだり、妬んだりしなくてよくなる アドラー心理の言葉』(ぱる出版)など多数。その数は250冊を超える。