人生後半戦を構想するにあたり、後悔のない選択をするには、自分自身との対話を重ね、自分を知ること。とはいっても、やりたいことがわからないという人も多いでしょう。そんな人は、8つの質問に答えてみてください。これからの職業人生を見通し、1回しかない自分の人生をどう使いたいか、あらためて考えるきっかけになるはずです。

これらの質問に、1から順に答えてみてください

重要なキーワードは「キャリア自律」。他者から管理・支配されず、自分のキャリアのハンドルは自ら握る、自律型人間をめざしましょう。

「強み」を増やすため、情報収集に出かけよう

やりたいことがないからといっても諦めることはありません。やりたいことがないのは、単純にこれまで、それについて考えたことがなかったからです。次ページの、人生後半のミッションを考える「キャリアプランニングシート」と、これから30年働く「未来シミュレーション年表」を埋めてみてください。具体的な目標を書き出していくと、今の自分に何が足りないのか、何をやればいいのか、はっきりと見えてきます。

「強み」を増やすため、情報収集に出かけよう

書き出してみて、もし「不安が自信を上回る」なら、安易に今の職場を辞めてはいけません。実は会社は学びの宝庫。視点を切り替えて、自分から情報収集に動きましょう。大きなジャンプをするには助走が必要。今の仕事をしている間に、できる準備をするのです。

おすすめしたいのは「はみ出せ」をキーワードに、いろいろな部署の仕事を学ぶこと。他のチームやメンバーと積極的にコミュニケーションをとり、サポートし合うような関係づくりを実践してください。マインドとスキルの両面で必要なものを習得するために、今の環境を活用させてもらおうというのが私の提案です。まじめに取り組むことで、あなたの「強み」が1つ増えるはず。

目標がないと「定年までは、まだ長い」と感じるのに、やるべきことが見えてくると、今からの一年一年がとても大切なものになります。

上司との関係も、ビジネスだと考えて予行演習

会社を辞めたい理由として「上司と性格や考え方が合わない」など、人間関係を挙げる人は多いですよね。まずは冷静に分析してください。上司が自分のことが嫌いで、コミュニケーションがうまくいかないのか、自分の仕事のアウトプットに対して上司が満足していないために厳しい評価になるのか。

あなたは上司から仕事を任され評価されているわけです。嫌いな上司が「自分に仕事をくれるお客さま」であればどうでしょう。顧客の期待値を超えられなければ、会社から離れたときにプロとして通用しません。

上司を顧客と見なして働いてみる。ストレスをため込むより、ずっと建設的です。顧客である上司に自分を認めさせる努力をしてみましょう。

起業を考えているような人なら、独立後に備えた格好の予行演習となります。自律的な人間とは、自分が主体となって相手との関係をもコントロールできる人だと思います。