差がつく習慣【2】夜寝る前にすべきことは
●築山先生からのアドバイス
睡眠不足は脳の敵です。脳は筋肉と同じで、使えば疲労が溜まります。日中に蓄積された疲労は、十分な睡眠を取らないと回復されません。また睡眠中も脳は活動を止めているのではなく、一時的な記憶を永続的な記憶に変換したり、思考の整理をして働いています。つまり睡眠が不足すると、疲労が取り除けないばかりか、記憶の定着や思考の整理といった脳の作業を妨げることになります。
しっかりと睡眠を取るには、眠りに入りやすい脳の状態をつくることが肝心です。私がおすすめしているのは、「入眠儀式」です。例えば夕食→入浴→翌日の用意→読書→就寝というように、ベッドに入るまでの行動を毎晩繰り返せば、それが一種の自己催眠になり、眠りに入りやすくなります。
刺激的な映像や音楽を鑑賞したり、激しい運動をするのは入眠儀式に向きません。朝、脳を目覚めさせるときには体を動かして脳に血液を巡らせることをおすすめしましたが、夜は逆。脳に強い刺激を与えると、脳に血液が上ってきて頭が冴えてしまいます。夜9時以降の食事も控えたほうがいい。食事をすると胃の周辺に血液が集まるので、逆に手足が冷えてしまいます。
寝る前は、体の真ん中に集まっている血液を体全体に行き渡らせることを心がけてください。「入浴するとリラックスしてよく眠れる」といわれるのも、手足を温めれば血管が開いて血行がよくなり、眠りに入りやすくなるためです。シャワーで済ませず、しっかりとお湯につかって体を温めるのがおすすめです。