コロナ禍の外出自粛で、家で過ごす時間が増えているビジネスパーソンも多いことでしょう。こんなときこそ、「経済史」を学び直してはいかが。経済史を学ぶときに大切なのは、歴史の流れという縦軸にのせてみること。歴史をとおしてみると、経済の中身もよくわかります。さっそく400年の経済の歴史を振り返ってみましょう。
紙幣の人・ バンドル
※写真はイメージです(写真=iStock.com/AndreyPopov)

経済は生き物。生物の進化と似ています

経済史とは、経済思想の発展と淘汰の歴史です。どんな時代にどんな経済思想が生まれ、何が発展し何が淘汰されていったか。それはまるで、生物の進化の過程を見るようです。経済も生き物ですから、その歴史が生物進化と似ているのは、ある意味当然かもしれません。

ただ経済思想の場合は、時代の必要性があって生まれ、時代の変化に合わせて変化していきます。これは、生物進化を説明したダーウィンの「適者生存」の考え方、つまり「無方向に生まれてきたさまざまなものの中から、時代に合った生き物だけが残ることを繰り返す」とは違う点です。

でもそういう相違点はあるにせよ、やはり経済の本質は生物的だと思います。なぜなら生物も経済も「欲望」を原動力としているからです。経済史なんて完全に、その時どきの権力者が紡ぎ出す「欲望のドラマ」です。

ただ、欲望を悪いものと決めつけないでください。どうしても欲望というとマイナスイメージを抱きやすいですが、欲望をすべて排除して生きられる生物はいませんし、そもそも欲望がなければ、社会は発展しません。もしもこの世に「生きているだけでいいや」という人しかいなければ、この世にiPhoneみたいな便利なものは生まれてこないのです。そう考えると、欲望を肯定したところにこそ、経済はあるのです。