妊娠前からの健康習慣は有利に!

妊娠中に起こるトラブルとしては、ほかにも妊娠糖尿病、貧血などがあげられます。なかでも妊娠糖尿病は、高齢出産のほうがなりやすいと言われているので、注意が必要。発症すると、妊娠高血圧症候群などのほかの合併症も引き起こしやすくなります。予防のためには、バランスのいい食事と適度な運動が大事に。

高タンパク・低カロリーな食事は、鉄分もしっかりとりやすく、マタニティ期を健康にすごすためのベースになるもの。こうした食生活が習慣づいている人は、意識しなくても妊娠中のトラブルの予防につながります。

「また若い妊婦さんに比べると、おなかが大きくなってきて腰痛を訴える妊婦さんも多いですね。ヨガやピラティスなど、骨盤のゆがみを正すストレッチは、腰痛緩和にも効果があるようです。妊娠前から適度な運動習慣で筋肉を鍛えていたほうが、妊娠中も元気に快適に過ごせる印象がありますね」

妊娠中はホルモンの影響などもあり、トラブルが起きやすい状態。さらに高齢であることが、そうした症状を起こすリスクを高めます。健康な人も自分を過信せず、生活習慣を見直していきましょう。

「さまざまなリスクはありますが、検診にきちんと行き、医師の指示を守っていれば、不安になりすぎなくても大丈夫。妊娠中はストレスをためず、できるだけリラックスして過ごしてくださいね」

構成=浦上藍子

月花 瑶子(げっか・ようこ)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医

東京・新宿にある不妊治療専門クリニック杉山産婦人科に勤務。 産婦人科領域で事業展開するヘルスアンドライツのメディカルアドバイザーを務める。 共著書に『やさしく正しい 妊活大事典』(プレジデント社)、 監修メディアに「性をただしく知るメディア Coyoli」がある。