要介護が上がるほど、事業者が儲かる仕組み

この要因の一つとして、要介護度が上がるほど(介護状態が重くなるほど)、介護サービス事業者の売り上げが上がる構造が以前から指摘されていました。本来であれば、予防や介護状態は改善した方が本人や家族、ひいては社会にとってヨシとされるはずですが、“現場”にそのような雰囲気が醸成されにくいという指摘です。

これに対し、2018年度改定がなされました。介護状態が事業所全体として維持・改善がみられた場合に一定のインセンティブが行われるようになりました。その効果はこれからみていく必要がありそうです。とはいえ、このことが一人あたりの介護費用増加のすべてを説明づけることでもないであろうと思うと、引き続き、なぜ増えてしまったのか、制度に無駄はないのか、その上で必要な人のところにきちんとお金と介護サービスは行き渡っているのか等々、しっかり精査する必要はある気がします。

現役世代が今からできる介護予防

そしてもう一つ、私たちの意識を変えていくことです。

介護は予防ができます。一人ひとりの意識をちょっとずつでも変えることができれば、それは社会全体で大きな効果につながるでしょう。

例えば、「高齢になったら介護が心配」というフレーズを何度も口にするのではなく、「介護にならないよう健康を維持しよう」を口癖にしてみて、実際に行動してみることです。

私は団塊ジュニア世代なのですが、私が後期高齢者になる頃は支え手である“若者”の人数は、相対的に非常に少ないことはすでに分かっています。ですので、私自身のため、若者のため、社会全体のためと思いつつ、健康には非常に気を付けています。いまや自称“健康オタク”です。

毎日ストレッチや軽い筋トレを行ったり(たまにさぼる)、体をつくる源である食事にも、できるだけ自然のものを摂ろうと気を配っています(時折、断食もします)。ひどかった肩こりはかなり改善しましたし、ほとんど風邪もひかなくなりました。定期的に通っていたマッサージはやめることができましたし、転んだ以外はここ何年も病院にかかっていません(思い出せる限り、かつ歯科除く)。