なぜ学歴や職位を競うのか

他者と比べなくても自分に自信が持てればいいのですが、こうした男性はそうはいきません。自信を保つには何が何でも相手に勝つ、つまり相手より自分のほうが上だと実感する必要があります。ここから起きるのがマウンティングであり、立派な企業の立派な一員になれと育てられてきた経緯から、特に学歴や職位などがよく競われます。

彼らは、実力が足りなければ見栄を張ってでも相手に勝とうとします。男性の見栄の張り合いは、はたから見るとおかしいかもしれません。でも、自分の価値を確認するためなので本人たちは必死。優秀で勝ち続けてきた人ほど「負けたら死ぬ」ぐらいの気持ちで臨んでいるのです。

これは、家庭だけではなく社会がそう煽った結果でもあります。マウンティングは確かに見苦しいですが、背景を知れば、そうならざるを得なかった男性たちのつらさが見えてくるのではないでしょうか。

マウンティングはポイントカード自慢

男同士のマウンティングは、ポイントカードを例にするとわかりやすいと思います。男性は皆1枚ずつポイントカードを持っていて、貯めたポイントを競い合っているのです。彼らのルールでは、出身校や勤務先が一流であればあるほど、また社内での地位が高ければ高いほど、ポイントも高くなります。そして、ポイントが貯まるほど自信も膨らんでいきます。

昭和上司によく見られる“自信家すぎる人”は、つまるところ「オレはポイントをいっぱい持ってる」と思っている人。これが「オレは他の人よりスゴイ」という自信につながり、上から目線を生んでしまうのです。男同士のマウンティングは、いわばポイントカードの自慢合戦と言えるでしょう。