時間の無駄を嫌うからこそお手伝いさんを雇う

時間はどんな人にも平等に与えられるもの。ただしどのように使うかで人生は大きく変化します。モナコに住む人たちは、家事はお手伝いさんにまかせ、空いた時間を自分のために使い、夜はベビーシッターを雇って大人の時間を過ごします。

世界のお金持ちは、時間の無駄遣いを極端に嫌います。そのためにもYESとNOの気持ちをストレートに表します。日本人にしてみるとキツく感じる場合もありますが、はっきりしているぶん明快です。特にオールドリッチタイプの人たちは、どこかへ出かけて心地のいい時間を過ごせたら、それをチップで表現します。世界中の最高を経験してきているオールドリッチたちは、万物に感謝をし、継承という価値にカタチで返します。それがチップです。

ソムリエが料理に対して最高のワインを勧めてくれたとき、それはそのソムリエの学びと経験のお陰です。さらにその作り手にも感謝の気持ちを込めます。また、数百年続いているシャトーホテルの滞在が快適だったら、その建物を造った人から、現在も継続してくれているオーナーや従業員たちへ感謝の気持ちを表します。最高な時間を過ごせた代償として、チップを惜しみなく払うのがオールドリッチです。お金で人を動かすのでなく、最高な時間を手に入れられたことに、気持ちよくお金を使います。逆に無駄な時間を過ごした場合、それに対して強く意見を述べ、チップは支払いません。

本物のお金持ちはお金をこう使う

お金というのは生きていくために誰でも使います。お金を使うときの気持ちが、嫌々払えばそれは支払いとなり、喜んで払えば感謝になります。世界を経験しているオールドリッチたちはその違いを知っています。

例えば毎月のカード請求額を見ながら、今月もこんなに使ったのかぁ、と思えばそれはただの支払いになり、今月はこんなに素敵な時間を過ごせたと思えば、それはその人の経験や価値となります。お金は巡るものと言いますが、貯蓄だけしていたら、自分のためにも社会のためにもなりません。世界のお金持ちは、お金の増やし方よりも、使い方を重要視しています。好きなものにはお金を費やす分、興味のないことには見向きもしません。使う金額は大きいですが、無駄づかいを嫌います。お金に縛られるのではなく、支払うことで相手に感謝を示せる使い方ができるのが本当のお金持ちなのです。

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