60~70代夫婦に「へそくり」について聞いたところ、平均金額は436万円だった。さらに「男女差」「夫婦関係のよしあし」によって調べてみると、男性より女性、円満夫婦より不仲夫婦のほうが、へそくりを貯める傾向があることがわかった。なかでも不仲夫婦の女性の平均額は898万円だった。なぜそれほど貯め込んでいるのか――。

へそくり夫472万、妻898万「シニア夫婦のギャップ」の意味

シニア女性向け雑誌『ハルメク』の「夫婦関係」特集に向けて、私が所属している「ハルメク 生きかた上手研究所」では、2018年1月に婚姻関係のある60~79歳の男女437人に「自分だけの『へそくり』はありますか」として、webアンケートを行いました。その結果、へそくりをしているシニアは53.5%、その平均金額は436万円であることがわかりました。

男女別にみると、男性は49.5%がへそくりをもっており、金額は平均330万円。女性は57.0%で金額は平均514万円でした。調査前、私自身は数十万円程度をこっそり隠す「たんす貯金」をイメージしていたため、へそくり額が数百万円単位であることに驚きました。

しかも、“隠し場所”は「たんす」ではなく、自分名義の銀行口座に堂々と預けているケースが多かったのです。当人たちからは後ろめたさのようなものはあまり感じられませんでした。

今回の調査結果には2つのポイントがあります。ひとつは「金額は男性より女性のほうが多い」、もうひとつは「夫婦関係のよしあしによって金額が変わる」ということです。

▼ポイント1 「男女比」男性よりも女性のほうが貯めている

へそくりの平均金額は、男性が330万円だったのに対して、女性は514万円でした。女性は男性より184万円多く、約1.6倍のへそくりを貯めていることになります

なぜ、女性のほうが男性よりもへそくりを貯める傾向にあるのでしょうか。webアンケートでは「いざというときのために」「老後に備えて」という漠然とした回答しか得られなかったので、追加でインタビュー調査を実施しました。インタビュー対象は男性8人、女性8人の計16人。夫婦関係についての回答(「非常に満足」「やや満足」「どちらともいえない」「あまり満足でない」「まったく満足でない」の5段階で質問。「非常に」「やや」グループと「あまり」「まったく」グループとに分類)に応じて、男女4人ずつ4つのグループに分けて行いました。

インタビュー調査では、男性の場合、そもそも自分がへそくりをすることに興味関心がない、また、妻がへそくりをしていても問題視しない、という考えを持つ人が目立ちました。

「相手のへそくりに興味はありません。妻は(夫が)見る(詮索する)ことは嫌がると思うし」(63歳)

「家計は全部かみさんに任せています。男は、あると使っちゃうからね」(72歳)