西野さんが信頼を寄せる先輩芸人

本の魅力に目覚めたのは、西野さん自身が書くことを迫られたとき。

「やってみたらうまくいかなくて。担当編集者に『一回本読んでみたら?』って言われたんです。それで『面白い本を教えてください』って頼んで、すすめられたのを読んでみたら面白かった! その中の一冊が、森見登美彦さんの『有頂天家族』。その後も『夜は短し歩けよ乙女』とか、森見さんの本を読みあさりましたね。あと、東野圭吾さんとか伊坂幸太郎さんとか、ヒットしてる本は一回読んどこうと思っていろいろ読みました。面白かったです。ヒットするにはちゃんと理由があるんだって思いました」

最近は友人にすすめられた本を購入することが多い。芸人の先輩であるロザンの菅広文さんも、西野さんが信頼を寄せる“選者”のひとり。

給与明細も見ない男が、1円にこだわる理由

「菅さんに『これだけは読んどけ!』って言われたのが、西原理恵子さんの『この世でいちばん大事な「カネ」の話』。僕は給与明細も見たことないくらいお金に無頓着なので、『このままだと、いずれ大変なことになるよ』と心配してくれて(笑)。今でも僕は、生活費がそんなに要らないし、ほとんどソバしか食わないし、ギャンブルもしない。でも、製作費は要るんですよね。今、映画をつくってるんですけど、スタッフさんを雇うとき、お金のことが不透明だと、そのご家族にまでご迷惑をかけることになる。だから1円単位でちゃんとしようと思ってます。この本を読んでなかったら、そうはなってないでしょうね」

(左)『チャイクロ』新装版(全8巻)高田恵以(ビーエル出版/1600~1800円)、(右)『織田信長 戦国の風雲児』鈴木俊平(講談社 火の鳥伝記文庫/620円)

いろんなエンタメがある中で、今、一番未来があるのは紙の本だと西野さんは目を輝かせる。

「本は、読み物としての役割から、コミュニケーションツールとしての役割の比重が増えていると思うんです。たとえばスナックで飲んでるとき、『この本、超面白いよ!』って話になって、その場にあったら、『買うわ』ってなるんじゃないかと。『革命のファンファーレ』を、知り合いのスナックに置いてみたら、10日くらいで350冊も売れたんですよ。コミュニケーションが起こりやすい場所なら、本はもっと売れると思うんです」

▼Recommended MOVIE
『パイレーツ・オブ・カリビアン─呪われた海賊たち』
監督:ゴア・ヴァービンスキー
2003年・アメリカ
「ジョニー・デップがカッコいい! あと映画の規模がでかい! あの規模の映画をつくろうと思ったら、大きいお金を動かすためにだいぶ手前からデザインしていく必要がある。自分がつくれないものを見せられるとメラメラってなるんです」