情報盛り込みすぎのグラフはスルーされる

エクセルなどを使えば誰でも簡単につくれるグラフ。だからこそ、エクセルでつくったグラフをそのまま資料に貼り付けているだけか、メッセージが伝わりやすくなるようにひと手間加えたのかがすぐにわかります。

グラフの工夫は、たとえるなら料理の盛りつけと同じこと。同じ料理でも、お皿を変えただけで味すら変わったように感じてしまう、それが人間という生き物。ですからグラフも、単に事実を伝えるためだけではなく、「見せる」ものというよりは「魅せる」ものという認識を持ちたいですね。

たとえば業績好調であることを、グラフで説明する場面をイメージしてください。あなたの手元には過去3年間の日別データがあります。その日別データをそのまま棒グラフにしてしまうととても情報量が多く、かつ細い棒グラフが並んだ状態になることは容易に想像がつくでしょう。

しかし、あなたが伝えたいのは「業績好調」の部分だけ。それならば、月別あるいは年別の棒グラフにすれば、あなたが伝えたいメッセージは一目瞭然です。このように不要な情報をカットしていく行為をノイズカットといいます。雑音を排除し、クリアな音にすることで曲の美しさや本質を感じ取れることに似ています。