ロースクールでは、LLMと呼ばれる、国外留学生を対象とした約1年間のカリキュラムを受講。スタートアップ投資のスキームなどを学ぶうえでも、スタンフォードは最適の場所だった。その後、ニューヨークの法律事務所で研修を受けるが、徐々にメルカリへの転職を考えはじめる。

「ユーザーとしてUS版のメルカリアプリを使っていました。たまたまリーガル職を募集していることを知り、現地から日本のメルカリに応募したのです」

ちょうどメルカリが六本木ヒルズに引っ越すタイミングでの入社となった。従業員はまだ100人いるかいないかという頃。最初はフロアの4分の1を借りていたが、みるみるうちに成長し、ほぼ1フロアにまで増床した。メルカリの従業員数は現在、500人を超えている。16年には大型の資金調達を行ったが、じつは岡本さん、この案件にも中心的に関わったのだという。

「最初はリーガル担当として入社したのですが、『興味があるならやってみないか?』とCFOに誘っていただいたんです。『ぜひ、やらせてください』と答え、携わることになりました」

案件は17年3月にクロージング(投資家が投資資金を払い、引き換えに債券や株を受け取ること)し、これを機にリーガルからファイナンスへと業務の幅が広がった。