シチズンの「アテッサ」が今年誕生30周年を迎えた。この節目の年に新しく登場したのが「ブラックチタンシリーズ」である。チタン素材への並々ならぬ探求心が、モダンな実用時計をつくり上げた。
30年以上に及ぶチタン開発の一つの集大成的シリーズ
「エコ・ドライブGPS衛星電波時計F900(CC9075-52E)」。アテッサ誕生30周年を記念してこの秋登場したブラックチタンシリーズの最上位機種。軽くて傷が付きにくく、耐食性に優れ、なおかつ肌にも優しいというチタンの特性にいち早く着目したシチズンは、独自の表面硬化技術のデュラテクトや、ゴールドにも引けを取らない美しい色みなど、実用面・審美面の双方からチタン素材を進化させてきた。その30年にわたる開発を一つの集大成としてまとめたのが今回のブラックチタンシリーズである。このシリーズの誕生を機にデザインも刷新。大胆に配置したアラビア数字やダイヤル中央部の格子状パターン、そしてスリット入りのベゼルなどが相まって、全体にモダンなスポーティーさを獲得した。ケースの厚さも13.1mmに抑えられ、スーツやジャケットに合わせても過剰に主張することがない。●ケース、ブレスレットはチタン。ケース径43.5mm。エコ・ドライブ。23万円

独自の表面硬化技術「デュラテクト」
ケースやブレスレットのブラック部には傷に強いデュラテクトDLC、シルバー部には傷に加えて打痕にも強いデュラテクトMRKという独自の表面硬化処理を施し、ステンレスの5倍以上の硬度を実現。ハードに使用しても傷が付く心配はほとんどない。

国際派向きの各種機能を搭載
今回取り上げたモデルはGPS衛星電波受信機能付きムーブメント「F900」を搭載。上空のGPS衛星から最短3秒で時刻情報を受信し、時刻やカレンダーを自動修正する。2都市の時刻を簡単に把握できるダブルダイレクトフライト機能も備える。

シチズンお得意のエコ・ドライブ
駆動方式は定期的な電池交換が不要な光発電エコ・ドライブ。シチズンが世界で初めて開発し、昨年誕生40周年を迎えた。フル充電で5年以上駆動、月差±5秒(非受信時)。

世界トップレベルのチタン技術が生み出す“黒”

あらためて紹介すると、「アテッサ」はアクティブに活動するビジネスマンのための実用時計である。デザインはスポーティーでありながらエレガント。機能面でもシンプルな3針から国際派向けのワールドタイム(ダイレクトフライト機能)やGPS衛星電波受信機能まで、最先端技術を駆使してあらゆるビジネスに対応するモデルをラインアップしてきた。

さらにマテリアルの面でもまた実用性を追求してきた歴史がある。アテッサは1987年の誕生時から一貫してチタン製ケースが採用されている。チタンは軽量で強度に優れ、なおかつ金属アレルギーも起きにくいため現在は多くのブランドが用いる素材。80年代に世界的にもいち早くチタン開発に乗り出したシチズンは、その後、表面硬化技術デュラテクトDLCなどを独自開発するが、その先進的な技術を他に先んじて投入したのがアテッサだった。アテッサの歴史はシチズンのチタン開発の歴史と言っていい。

そうした開発の一つの集大成と言えるのが「ブラックチタンシリーズ」である。シチズンが持つ最新の加工技術をフル投入し、チタンのイメージを覆すほどの高級感を持たせたブラックチタンのモデルをハイエンドなシリーズとしてローンチ。なかでもここで取り上げたモデルはシチズンのGPS衛星電波受信ムーブメントの最高峰「F900」搭載機。素材的にも機能的にも最上位機種となる。

鞄にしろ靴にしても、ブラックはビジネスの装いに品格を添える色である。自身のファーニシング(服飾品)にこんな腕時計を一つ。これからの季節のダークトーンの装いにもなじみ、モダンな品格とアクティブな個性を演出してくれるはずだ。