年々、疲れがたまりやすく、朝、起きられなくなってきた……。そんな人は、帰宅後の過ごし方を見直してみましょう。
帰宅後、疲れをとる最も効果的な方法は?
「1日中営業で歩き回ってくたくた」「会食で得意先に気を使ってくたびれた」……。心身ともに疲れて帰宅すると、睡眠時間を少しでも多くとりたいがために、お風呂はシャワーですませたり、朝、出がけにシャワーを浴びるだけ、という方もいらっしゃるかもしれません。
私が入浴剤メーカーに勤務しているから言うわけではありませんが、疲労を回復させたいなら、睡眠時間を削ってでも、夜は湯船につかったほうがいい。理由は後述しますが、シャワーだけでは疲れはとれません。特に出張やゴルフなどでハードな1日を過ごしたときほど、入浴は絶対。ゴルフ場にもお風呂はありますから、短時間でもつかってください。
とはいえ、実は、入浴だけでとれるのは精神的な疲れだけ。肉体的な疲れは良質な睡眠がないと解消できません。言ってみれば、入浴は「良質な睡眠のための準備の場所」なのです。ビジネスと同じで、この準備なくしてよい結果はありえません。
そもそも人間の体に体内時計があるように、体温にもリズムがあります。体温は朝の4~5時がいちばん低く、時間の経過とともに上がっていき、18~20時にピークを迎えます。それからだんだんと下がっていきますが、体温をスムーズに下げることで深い眠りが得られます。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることは、ご存じの方も多いでしょう。レム睡眠はRapid Eye Movementの略で、「眼球がちらちら動いている睡眠」という意。眠りが浅く、このレム睡眠中に寝返りをうったり、夢を見たりします。ノンレム睡眠はその逆で、「体も脳も休み、ぐっすりと深く眠っている」状態。ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルは約90分で、眠っている間中、繰り返されます。
「疲労=壊れた細胞」を修復し、活性化させる成長ホルモンが多く分泌するのは、最初の2サイクル(180分)。つまり、疲労回復のゴールデンタイムは、「成長ホルモンが多く分泌される、最初の3時間」なのです。そして、成長ホルモンをしっかり分泌させれば、翌日に疲れを持ち越さなくてすむわけです。
ではなぜ夜に湯船につかる必要があるのか。湯船につかると血行がよくなり体温が上がります。血管も拡張しているので、熱放散しやすくなり、スムーズに体温を下げることができます。