年齢も美しさの一部

美の概念を取り戻せるかどうかは女性自身にかかっています。わたしたちはここに存在していて、そして美しいのだということ、肌の色も年齢も、体格や体型もそれぞれ違っていて、それがいいのだということを、広告主やハリウッドやファッション雑誌にアピールできるかどうか。これはとても重要なことです。わたしたちのラブ・ライフは危機にひんしています。

あなたが愛やロマンスに適した人材かどうかを、世間に決めてもらっていいのですか?

ある年齢を超えたら、セックスよりも便秘解消サプリメントの心配をしなさいという意見に耳をかたむけるつもりですか?

そんなのフランス流ではありません。フランス政府が公開した、セクシュアリティに関する600ページもの新報告書によると、50歳超の女性の90%が、現在も性生活があると答えています(また、30~49歳の女性の性交渉相手の平均人数は5.1。ちなみに男性は12.9)。

フランス女性はラブ・ライフについては量より質を大切にし、中年になっても強い性欲を保っていることがこの調査からわかります。

年齢を重ねた女性はフランスじゅうどこにでもいますが、特にパリではその存在が目立ちます。素敵なブーツに、ミステリアスなサングラスをかけていたりします。スリムだけど、いわゆる〈色っぽい体つき〉。ブーツに合わせて、ミニスカートをはいていることも多く、胸の谷間を見せていることだってあります。

60代であっても、その姿にはエネルギーがあふれています。そう、年齢も彼女の美しさの一部なのです。

たとえば、そのはかなさ、年齢からくる賢明さ、経験豊富な女性にしか出せない色っぽさ。カトリーヌ・ドヌーヴをご覧なさい。長い人生を生き、愛してきた人しか得られない美しさが、彼女の姿態に刻みこまれています。