「不治の病」ではなくなってきたがん。事前にそのリスクを知り、備えることで、仕事や生活へのダメージは減らせます。30代の女性が知っておくべき、がんのリスクコントロールとは?

アンケート協力=NTTコム オンライン(25~45歳の仕事をもつ女性1070人が回答。調査期間は2015年4月24日~27日)

米国の女優、アンジーことアンジェリーナ・ジョリーさん(40)が乳がんと卵巣がんを予防するため、両側の乳房と卵巣・卵管を切除する手術を受けたという報道は、世界中の女性の注目を集めました。彼女の選択を促したのは、祖母、母、叔母という身近な女性が若くして乳がん、卵巣がんを発症し亡くなったという事実でした。

Q.アンジェリーナ・ジョリーさんの乳房全摘手術について、どう思いますか?/Q.費用が安ければがん遺伝子検査を受けたいですか?

がんの多くは生活習慣や発がん物質への暴露などの環境要因が重なって発症しますが、5~10%は遺伝的要因が強く関わる「遺伝性のがん」であることがわかっています。

そのひとつに、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)があります。HBOCの人は、がんの発症を抑制する遺伝子の「BRCA1」あるいは「BRCA2」に生まれつき異常があり、若くして乳がんを発症する、卵巣がんと乳がんを併発するなど、さまざまなリスクが上昇します。

ジョリーさんの場合はBRCA1に異常があり、何もしなければ87%の確率で乳がんを発症し、50%の確率で卵巣がんになると告げられていました。

HBOCの人が一生涯に乳がんを発症する確率は41~90%、卵巣がんは8~62%です。一般女性の場合は8%、1.1%ですから、HBOCの人の乳がんリスクは5~11倍、卵巣がんでは8~60倍にもなります。

もし、遺伝子検査によってHBOCであると判明した場合、25歳前後から精度の高いMRI(※)検査で乳がんの早期発見に努める、乳がん発症予防のためにホルモン製剤を飲むなどいくつかの選択肢があります。

※MRI(核磁気共鳴画像法)/磁気を利用した画像検査方法で、被ばくの心配がありません。

しかし、ジョリーさんはHBOCの中でも極めてリスクが高いグループに属していました。彼女はその現実を冷静に受け止め、リスクを可能な限り減らして子どもたちとの未来を守ろうと、「両側乳房と卵巣・卵管の予防的切除」を選んだのでした。

 

The history of the family of Angie

写真=Getty Images

1973年11月1日:母方の祖母が卵巣がんで死去/祖母ロイス・ベルトラン(享年45)
1975年6月4日:米カリフォルニア州に生まれる
1999年:母親が卵巣がんと診断される
2004年:母方の叔母が乳がんと診断される
2007年1月27日:母親が卵巣がんで死去/母:マルシェリーヌ・ベルトラン(享年56)
2013年5月14日:両乳腺切除手術を受けたことを公表
2013年5月26日:母方の叔母が乳がんで死去/叔母デビー・マーティン(享年61)
2015年3月24日:卵巣と卵管を摘出する予防手術を受けたことを公表