まるで地球創世期の原風景が広がるかのように美しく、凛として気高いアラスカ。厳しい自然に鍛えられた豊かな環境は、大地と海にこれ以上ない恵みをもたらしている。その豊穣の海に育まれているアラスカ産シーフードについて、ちょっと学んでみましょう。

アラスカの漁業はサステイナブル

世界的にシーフードは養殖ものが増える傾向にあることはご存じだろうか。安定供給のためというのがお題目だが、そんな中、水産王国アラスカがもっとも大切にしているのが「Sustainable――サステイナブル=持続可能な」であること。意訳すると「≒地球や環境にやさしい」となり、ひれ魚の養殖を一切禁止しているアラスカのシーフードは100%天然ものなのだ。

厳しい自然環境のなかで、動物や海の生き物たちと共存共栄して生きるアラスカの人々は、天然資源のありがたみや大切さを誰よりも痛感してきたのだろう。地球の天然の水産資源を守ることこそが、自分たちの、さらには次世代の暮らしを守る唯一の方法だと。アラスカでは持続可能な水産資源の活用について、世界で唯一、州憲法で謳い、水産業に関わるすべての人々で徹底して貫き、州をあげて海を守っている。

基本的なルールは2つ。
1.生態系に悪影響を与えないこと
2.乱獲をしないこと

そのために、科学者たちによる最新の科学データに基づいて水産資源を計画的に管理。具体的には、期間やエリア単位での漁獲許可、漁船の規模や漁具の種類・仕様に関する制限などを通して、サステイナブルな水産資源の生息数を維持し、繊細な生態系をも保護している。天然シーフードの宝庫であるアラスカは、世界が注目する「シーフード・サステイナビリティの世界的モデル」なのである。