近年、開成・筑駒・灘・麻布・桜蔭・女子学院など超難関校の合格実績を伸ばしている早稲田アカデミー。志望校別の専門チームによる指導を特色とする同塾では、受験準備のスタートは、小3からが望ましいという。小3から小6までの4年間で、何を身に付けていけばよいのか。早稲田アカデミー志望校別対策コース「NN開成クラス」総責任者の相澤好寛先生にお話を伺った。
超難関校受験で必要なのは考察力や問題解決能力
子どもの中学受験を考える保護者の中には、何年生から塾に通わせたら良いか悩む人も多いのではないだろうか。
「以前は、受験勉強と学校の勉強の内容にあまり大きな差がなかったので、小5くらいから塾に入り、受験準備を始めても間に合いました。しかし今は、中学受験で求められる学力と、学校で身に付ける学力との内容に、明らかな差があるのです」
今回、お話を伺ったのは早稲田アカデミー志望校別対策コース「NN開成クラス」の総責任者でもある相澤好寛先生。
「中堅校レベルなら、受験参考書を丁寧に勉強すれば何とか合格にこぎつけられます。しかしこの勉強方法では、難関校や超難関校の入試には太刀打ちできないでしょう」
しかも超難関校が受験生に求めるのは、知識の積み重ねだけではない。
「初見の問題を即座に読み解き、解法を見いだす力。すなわち考察力や問題解決能力を重視する傾向が強くなっています。その能力は、学校の授業や受験参考書の勉強だけではなかなか身に付きません。上位校をねらうなら小3から、遅くとも小4から、塾のカリキュラムに従ってトレーニングを積んでいく必要があります」と、長年受験指導に携わってきた相澤先生はいう。
中学受験の準備は小3、小4から始めたい
ではどのようにすれば、難関校入試に対応できるだけの考察力や問題解決能力を身に付けることができるのだろうか。
「間違いを重ねながらでも自分の力で正解にたどりつく経験がとても大切です。単に正解するだけではなく、どのように考え、その正解にたどりついたのか。習うことだけでは得られない『自ら考える力』を養うことこそが大切なのです」
早稲田アカデミーではこれを「知育」と呼んでいる。本格的な受験勉強に入る前、早ければ小1から小4くらいの間に、自ら考え、失敗し、工夫するといった学習体験の積み重ねが必要なのだ。
「小3では『間違ってもいいよ。次は突破できるように解き方を探そう』と子どもたちに話します。自分の力で答えを得ることは、学ぶ楽しみや喜びにつながります。そうやって得られた知識は、より確かなものになっていきます」
小4になると、「知育」に加えてテストで得点を伸ばす楽しさを経験させていく。このように、子どもの発達と合わせながら、段階を踏んで学習意欲を高めていくのが早稲田アカデミーのやり方だ。