14年12月、東証一部に直接上場を果たしたゲーム会社gumi。だが、上場直後に業績予想を赤字に下方修正し、“上場ゴール”と非難を浴びた。騒動から半年、國光社長が現在の胸中をはじめてメディアに語った。
“gumiショック”いま真相を明かす
【田原】まずこの話から聞きましょう。gumiは2014年12月に上場しましたが、3カ月後には業績予想を営業黒字13億円から営業赤字4億円に下方修正した。株価はストップ安になり、ベンチャー企業の新規上場ブームに水を差す形になりました。世間では“gumiショック”と呼ばれていますが、どうしてこうなったのですか。
【國光】無理だと思われるくらいの野心的な目標を掲げて、それに挑戦し、乗り越えていくのがベンチャー企業のやり方です。実際、僕たちも上場前の7年間は厳しい挑戦を重ねてきたし、ベンチャーキャピタルもそのことを評価して投資してくれました。しかし、上場後も同じことを続けたのがいけなかった。上場すれば世間の見方が変わるのだから、もっと保守的にやるべきでした。もちろん頭はそう考えていましたが、ベンチャーの意識が抜けていなかったというか……。これは大きな反省です。
【田原】下方修正したのは、商品が売れなくなったからですか。
【國光】今回の件で勘違いされることが多いのですが、成長が止まったわけではないです。僕らの2年前の売り上げが約55億円。次の年が約110億円で、今回約300億円という予想を出したら届かずに275億円だった。予想は下回りましたが、大きく伸びてはいます。最終的に営業利益も約4億円の黒字でした。
【田原】どうして届かなかったの?
【國光】ゲームが当たるかどうかは、実際に出してみるまでわかりません。いまはゲームの開発期間が長期化していて1年半ほどかかりますが、1年半先の世間の空気なんて誰も読めないですよね。結局、つくり手のエゴというか、こういうものをやってみたいんだという思いが入ったものをつくるしかなく、ヒットするかどうかは運しだい。今回は運が悪くて一部のゲームがヒットせず、そのぶん予想に届かなかった形です。