2014年9月28日(日)

食べて納得! 名古屋のサラめし食べ歩き

ひつまぶし、煮込みうどんからあんかけスパまで

プレジデントムック 2013年12月18日号

著者
神 卓己 じん・たくみ
フジサンケイビジネスアイ中部総局長

神 卓己(フジサンケイビジネスアイ中部総局長)=文
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中京圏独自に発展したモーニングサービス

名古屋の食といえば、ひつまぶし、味噌煮込みうどんに代表される「名古屋めし」を思い浮かべる人が多いかもしれない。名古屋めしは名古屋独特の食文化を引き継いできた、この地ならではの料理だが、近年はサラリーマンの懐具合を大きく超えた値段で堂々と営業している有名店も多い。やはり「サラめし」というからには、懐に優しい値段と、それを超える味やボリュームに対する感動が両立していなくてはいけない。そんな本当に「安くてうまい」名古屋のサラめしを食べ歩いてみよう。

サラリーマンにはうれしい、名古屋を中心とする中京圏独特の喫茶店文化のドアを、まずは開けてみよう。朝9時頃、名古屋駅(名駅)近くの地下街の喫茶店で席に着いて380円のコーヒーを注文したら、「モーニングはどうしますか」と聞かれ、何のことか尋ねたら無料でトーストとゆで卵がつくというので飛びついたという、県外からの来訪者も多いのではないだろうか。

今や全国的にも有名になった名古屋モーニングだ。名古屋の喫茶店では開店から午前10時や11時まで(店によって終了時間は異なる)、モーニングサービスとして、コーヒーなどの飲み物にトーストとゆで卵や、サンドイッチなど軽い朝食の無料サービスが当たり前。なかには飲み物料金だけで数種類のパン食べ放題や、1日中サービスを提供する「フルタイムモーニング」の店もある。

このサービスは、名古屋生まれと思われがちだが、実は名古屋市郊外の一宮市が発祥といわれる。昭和30年代前半、「機織り機がガチャンと鳴ると1万円儲かる」といわれたガチャマン景気に沸いた繊維の町・一宮では、いわゆる繊維業の「はたや」さんが商談などで昼夜を問わず喫茶店を訪れていた。そこである店が朝のサービスとして、コーヒーにゆで卵とピーナツをつけたのが始まりという。

その後モーニングは一宮では当たり前のサービスになり、喫茶店同士の競争でどんどん豪華に。それがもともと喫茶店が多い名古屋と周辺地域に伝わり、中京圏独特の喫茶店文化として育まれてきた。だからモーニングの内容は、名古屋より郊外の店のほうが豪華で、一宮や岐阜などではおにぎりやのり巻きに、茶碗蒸し、みそ汁までつくところもあるというから驚きだ。

やはりサラめしの本流はランチだ。名駅周辺から東へ、ビジネス街の伏見、繁華街の錦・栄と食べ歩いてみよう。

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