たまたま店の中にいる本当のお金持ちは「また派手にやっている」と冷ややかに横目で見ながら、ごく普通のお酒をちびちびと飲んでいるそうだ。

塚越さんが本当のお金持ちの共通点として指摘するのが、「自分のことを隠したがる」ということ。どんなに金持ちであっても、それとわかるような素振りを決して見せない。だからパテック・フィリップやオーデマ・ピゲのような何百万円、何千万円もするような高級時計を持っていても、腕にはめて店に来ることはない。

「子どもの頃から資産を守ることを使命として教え込まれていて、自分がお金持ちであることを誇示すれば、いろんな人が群がってきてお金を無心されるだけだとわかっているのです。高級時計をコレクションとして持っていても、自宅で一人眺めながら楽しむだけ。タクシーに乗っても、自分の素性がわかるようなことは一切話しません」

不動産取引の現場に詳しい東京カンテイ上席主任研究員の中山登志朗さんも面白いことを教えてくれた。億ションを買いにくる成金は、高級外車に乗って家族総出でキンキラキンに着飾ってモデルルームに来るそうだ。本当の金持ちはどうかというと、ユニクロなどのファストファッションを身にまとってタクシーに乗ってくる。「金持ちであることがわかって、いいカモにされないように警戒しているのでしょうね」と中山さんはいう。

天と地の差がある愛人のつくり方

塚越さんによると、愛人のつくり方でも天地の差があるそうだ。成金はマンションを買い与えたり、札束で女の子の頬を叩くようにして、半ば強引に愛人にする。しかし、金の切れ目が縁の切れ目とはよくいったもので、成金が没落すると女の子はすぐ離れていく。

「本当のお金持ちは、単にお金を与えるのではなく、愛人が一人立ちできるようにします。銀座に新しいお店を開いて任せるということも、その一つです。もし自分に何かあってもという気配りなのでしょう。とてもスマートで、女の子は生涯感謝し続けるわけです」

一介のしがないビジネスマンでは到底無理とわかっていても、そんな話を聞くと、本当の金持ちの粋な生き方につい憧れてしまいそうだ。