バレエ、モデル、キャンギャル、女優へと華麗な進化を続ける33歳。テレビドラマ「黒革の手帖」で銀座の女を演じ切り、今度は座長として舞台に挑む。

1975年、神奈川県生まれ。92年第6回全日本国民的美少女コンテスト審査員特別賞受賞、95~99年ファッション誌「CanCam」専属モデルを経て、99年から女優として活動を開始。『黒革の手帖』『けものみち』『わるいやつら』など、数々の松本清張原作のテレビドラマでは主役を演じる。4月29日~ 5月25日、明治座で上演される舞台「黒革の手帖」では座長を務める。
1975年、神奈川県生まれ。92年第6回全日本国民的美少女コンテスト審査員特別賞受賞、95~99年ファッション誌「CanCam」専属モデルを経て、99年から女優として活動を開始。『黒革の手帖』『けものみち』『わるいやつら』など、数々の松本清張原作のテレビドラマでは主役を演じる。4月29日~ 5月25日、明治座で上演される舞台「黒革の手帖」では座長を務める。

「黒革の手帖」の元子が帰ってきた。明治座5月公演の舞台「黒革の手帖」で米倉涼子は2年半ぶりに、銀行のOLから銀座のママにのし上がり、男たちを翻弄する「悪女」原口元子を演じている。

初演では「銀座の現役ホステスと客」という2人連れの観劇も目立った。テレビドラマ放映時から「銀座雀」も米倉の銀座ママぶりに注目していたということだ。しっくりと着物が似合う辣腕の一流クラブのママを演じたとき、まだ米倉は29歳だった。

振り返れば「黒革の手帖」が女優・米倉涼子のキャリアのうえで、大きな転換点となったのは間違いない。立て続けに松本清張作品の悪女を演じ「清張女優」と呼ばれるきっかけとなったのだ。

「元子を演じられたのはラッキーでした。あれほど周りから評価をいただけるとは思わなかった。私、ほっとすると具合が悪くなるんです。1回目の視聴率が出たあと、ばっと出ました、湿疹が(笑)」

米倉は、「悩みがなさそうと言われますが、結構繊細なんです」と屈託なく笑う。

10月クールのドラマが終わったあとの冬、八王子の山の中にある清張の墓に詣で、きれいに墓石を洗って「ありがとうございました」と手を合わせた。

それまではコメディが多かった米倉が「黒革」では着物が似合う凄みのある悪女でブレークした。同じ演目での座長公演には思い入れがある。