2014年3月29日(土)

大らかに育てたら、受験で負けない子になる

1千人以上の東大生・医学部生を輩出した「人気予備校講師」が語る

プレジデントFamily 2014年5月号

著者
大島 保彦 

1955年、群馬県生まれ。駿台予備学校英語科専任講師。東京大学文学部哲学科卒業、東京大学大学院博士課程(比較文学比較文化)満期退学。1984年から現在まで駿台の教壇に立つ。大学で哲学、倫理学、文明論などの非常勤講師も兼務した。

駿台予備学校英語科専任講師 大島保彦 品田良弘=構成 近藤 豊=撮影
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中学生からは自由に泳がせるほうがよい

大島保彦
1955年、群馬県生まれ。駿台予備学校英語科専任講師。東京大学文学部哲学科卒業、東京大学大学院博士課程(比較文学比較文化)満期退学。1984年から現在まで駿台の教壇に立つ。大学で哲学、倫理学、文明論などの非常勤講師も兼務した。

オリンピックでメダルを獲るようなエリートを育てることは絶対必要です。でも、われわれには、そんな取り柄はない。それならば、「とりあえず勉強する」「どこに向かっているのかわからないけど、がんばる」でいい。だんだん磨きをかけていくうちに、「ここがこの子のいいところだったんだ」とあとになって気づく、そんな子育てで十分ではありませんか。私たちが生きるこの社会だって、何となくがんばっている人が支えているのですから。

子供たちに際立った何かを望むより、ゴロンとした粗削りな学力をつけてやりたいと私は考えています。

ある教え子は、文学部を卒業したのち、一念発起して1年の準備期間で国立大学医学部に合格しました。文系出身者が短期間で医学部受験を突破するのは難しいのですが、彼ならやれるかもしれないと思いました。いろんなことに興味を持ち、知識の幅が広い彼こそ、どんな場面でも応用可能で普遍的な学力を持っていたからです。

そういった力をどう育めばいいか。まず、子供が中学生になったら、自分の世界を広げていくことに関して、親は監視の目をゆるめてやることが必要でしょう。常に目を配りつつも、ある程度「子供を自由に泳がせてやる」のです。

そのなかで、子供はさまざまな体験をしていきます。好きなことをどんどん見つけてくる。新しい趣味や交友関係を持つようになる。気をつけないと、日本の学校生活では、学校・家・部活だけの世界になってしまいます。放っておくと、狭い世界に閉じこもってしまう。情報は無限に入り、モノも豊富な社会なのですから、自ら広げようと思って、物事に取り組めば、途端に世界は広がります。

春は子供が自由に泳ぐ絶好のチャンス。中学でも、高校でも、大学でも、合格した直後の怖いものなしのタイミングですから。

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