法人営業から個人向けまで、また物品からITソリューションまで、最近、企業の営業活動をサポートする専門の会社が注目の的だ。社内に営業部門をもつ企業でも、外部の「営業代行」会社に委託するケースは多い。理由はどこにあるのか──。株式会社グローバルステージの薄井隆博社長に聞いた。

ビジネスチャンスを生かし
他社の優位に立つために

「企業が営業代行を利用する理由、その第一はスピードでしょう」とグローバルステージの薄井隆博社長は言う。同社は新規事業支援、営業代行のいわば“何でも屋”。グループ企業24社(2014年4月現在)を抱え、全国12カ所にネットワーク拠点を展開。マーケティング戦略の立案や新規顧客開拓のダイレクト営業、ときには営業現場での経験から商品・サービスの設計について助言するなど、その業務は幅広い。薄井社長は、いま営業代行が脚光を浴びる理由を「機会損失の回避」と読み解く。

「例えば共同購入サイトや比較サイトの立ち上げ。これらは多くの場合、スピードが勝負です。サイトに掲載する事業者やお店などを一気に獲得しないと、参入の余地がなくなってしまいます。また商材でも、その市場が魅力的でチャンスがあるほど、追随する競合他社は多い。そこでシェアを確保し、優位に立つために営業代行が活用されているのです」

通常、アウトソーシングの活用の理由としては「コスト削減」が挙げられる。薄井社長は「それも大きな要因の一つ」と認めながら、営業代行の場合は「事業環境の急激な変化に、もはや社内の既存リソースでは対応できない」ことが、背景としてあると指摘する。

また最近の傾向として「泥臭いダイレクトセールスを苦手とする会社が多く、当社のように独自のスタイルで市場を掘り起こすプロ集団へのニーズが高まっている」とも言う。確かに新規事業を走らせる場合、初期段階から営業チームを手当てするのは大手企業でも難しい。しかもそれが飛び込み営業なら「外部のプロに任せよう」ということも、経営判断としては当然あるだろう。

「テストマーケティングなどは典型です。軌道に乗るかどうか分からない事業に、固定費はつけられない。例えば電話でのコール営業が主体となれば、専用拠点も含め、外部を活用する方が得策です」

全国ネットワークと
クオリティの高さが強み

自前の営業部門をもたないベンチャー企業だけでなく、大手企業でもニーズが高まっている営業代行。グローバルステージは、全国に拠点をもつ営業代行企業として、幅広いクライアントの活動を継続的に支えている。

「全国主要都市に拠点がある当社なら、クライアント様の戦略に応じた営業展開ができる。九州や関西、東北など、地域の状況や消費者動向に見合ったマーケティングプランを立てることも可能です」

そしてもう一つ、薄井社長が自社の特長として強調するのが、営業のクオリティの高さだ。「当社の営業スタッフは全員が正社員。独自の独立支援制度による起業を志す者も多く、皆、モチベーションが高いのが特徴です。また、独立後も大半がグループ企業として活動するため、クライアント様との持続的な取引関係を重視する。そうした背景もお客様企業から評価をいただいている要因になっていると思います」

営業の質を重視するグローバルステージグループの姿勢は、成果となって表れている。同社のホームページには「生産性12倍を実現」「総合ランクで1位を獲得」「都内最大規模の新規開拓」といった実績が並ぶ。また「クレームやキャンセルの少なさ」も、顧客満足度の高さを追求するからこそ導かれる結果である。

さらに同社では2012年8月から、契約1件が寄付(食事・教育・ワクチン)につながる「oneCard(ワンカード)プロジェクト」という社会貢献活動を開始している。これも、営業の質の向上を目指す取り組みの一つといえるだろう。

グローバルステージは創業以来、多種多様な業種・業態のクライアントの要望に応え、営業現場の最前線に立ってきた。そこで磨かれ、蓄積してきたスキルやノウハウは、膨大な「経験知」となっている。特に「新規プロジェクト立ち上げの仕組みづくりでは、さまざまな観点からアドバイスできる」と薄井社長は胸を張る。同社ではこのたび、電話営業の分野で「300コール・9万8000円」のいわばお試しパックをリリースした。グローバルステージの担当が電話営業を行うと、どれだけ成果が上がるのか。一度、確かめてみる価値がありそうだ。